無線LANの特許侵害はしていない

 奥田 コクヨグループと業務提携を行い、アーベルを子会社化なさいましたね。これはどんな狙いからですか。

 牧 オフィス向け市場でもっともっと強くなりたいと思っているわけですが、コクヨさんは企業の総務部門に深く食い込んでおり、競合する製品もあまりありません。両社が手を組めば、相乗効果が発揮できると思い、私のほうから申し込みました。

 奥田 効果は出てますか。

 牧 徐々に出始めてます。

 奥田 昨年は、無線LAN関連の特許抵触で、米国で販売差し止めの措置を受けましたね。これはどんな経緯なんですか。

 牧 不当な判決ですよ。原告はオーストラリアの政府系研究機関なんですが、本来はチップの問題なんです。現に、インテル、デル、マイクロソフト、ネットギア、ヒューレット・パッカードなどが、原告に対して特許非侵害および無効の確認訴訟を起こしております。

 奥田 それなのにメルコさんがやられたのは?

 牧 当社は原告に対し、真っ先に反論を展開してきたんですが、この真っ先だったことが標的になって提訴されてしまったんです。

 奥田 なるほど。モットーとする素早い決断、迅速な行動が裏目に出たわけですか。

 牧 そういうことです。わが社は絶対にシロだと信じてます。

ホームネットワークでデファクトスタンダードに

 奥田 最後に、中長期ではどんな経営戦略を描いているのか、お聞かせください。

 牧 パソコンの技術が、家電の分野に染みだしていっています。ですから、分野的にいいますと、デジタルホーム市場の開拓を重視しています。とくに、ホームネットワーク市場では、デファクトスタンダードとしての地位を確立することを狙っていきます。

 また、販売面では、国際競争力の強化を図り、海外市場の開拓にさらに力を入れます。海外市場へ乗り出して約10年たちますが、わかったのは「結局は人材に尽きる」ということです。最低でも英語を話せ、きちんとした仕事のできる人材を育てていきます。10年後には、売上げの半分は海外市場で上げたいと思っています。

 奥田 ありがとうございました。健康に気をつけて頑張ってください。

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