Special Issue

NEC 中堅・中小企業の仮想化統合を加速させるHCIの新製品

2020/06/25 09:00

週刊BCN 2020年06月22日vol.1830掲載

Microsoft Azure Stack HCIに対応したHCSで
高いコストパフォーマンスとシステム運用のシンプル化を実現


 NECは4月15日、HCI専用モデル「NEC Hyper Converged System(HCS)」で「Microsoft Azure Stack HCI」に対応した製品「NEC Hyper Converged System for Microsoft Azure Stack HCI」の販売を開始した。中堅・中小企業のHCI導入促進とSIerの工数削減に大きく貢献していく。

中堅・中小企業に最適なHCI
通常構成比で導入コスト6割減のモデルも

 市場環境の急激な変化に対応できる柔軟性の高いITシステムの構築は、経営上の大きな課題だ。

 「クラウドは有力な選択肢ですが、全てのシステムやデータを移行できるわけではありません。そこで、将来のハイブリッドクラウド環境を見据え、HCIの導入によるオンプレミスの高度化が進んでいます」と山本雅洋主任は語った上で、「しかし、Windows Server/Hyper-Vベースで業務システムを運用しているお客様は、現行の基盤運用との親和性を重視される方が多く、中堅・中小企業においてはコストの最適化が期待されるHCIでさえ導入コストが障壁になってしまうケースがあります」としている。 

 今回、NECが新製品として発売した「NEC Hyper Converged System for Microsoft Azure Stack HCI」は、Windows ServerベースのHCI専用モデルだ。Windows Server 2019 Datacenterライセンスのみで構成されており、必要なソフトウェアが全て含まれているため、高いコストパフォーマンスでのシステム運用が可能になる。最小構成は2ノードで、業務負荷増大やワークロード追加に伴って拡張できるため、余分なリソース設計をすることなく、導入コストを最小限に抑えることができる。
 

 「NECの試算では、5年保守を含めた一般的なHCIと比較して、約4割のソフトウェアコストの削減効果を見込んでいます」と島田寛史マネージャーは語る。

 ラインアップは、コストパフォーマンスに優れた1ノード/1Uタイプのスタンダードモデル、ストレージ容量を重視した1ノード/2Uタイプの大容量モデルに加え、2ノードエントリHCIモデルがそろう。

 「2ノードエントリHCIモデルは、小規模仮想化統合に最適なモデルです。1ノード/1Uタイプのスタンダードモデルを積み上げたケースとの比較で、導入コストは約61%オフの298万円(2ノード分。Windows Server OSライセンス含む)に設定しました。これは、シンプルな構成でハードウェアの価格を抑えた専用モデルと、Microsoft社とのアライアンスによる小規模向けOSライセンス採用で実現したものです。NECでは厳しい製品検証を行っていますので、価格を抑えつつも信頼性は確保しています」と島田マネージャーは強調する。
 
島田寛史 クラウドプラットフォーム事業部
第二ソリューション 基盤統括部 マネージャー

各フェーズでサービスが充実
パートナー企業向けにも手厚いサポート

 高信頼のNEC製サーバー、Microsoft社認証済み構成に加えて特筆すべきは、HCIの検討、構築、運用、保守というシステム導入前後の各フェーズで、ITインフラSEをサポートする充実のサービスがセットで提供されていることだ。稼働中のシステムの資産情報、性能情報に基づいたリソースサイジングを支援する「仮想化アセスメントサービス(無償)」、HCIに加えて、UPSやネットワークスイッチの設定にも対応した「構築サービス」、管理ツール「Windows Admin Center」の提供と共にその具体的な操作手順を解説したNEC独自の運用ガイドなどを提供することで、これからMicrosoft Azure Stack HCIを導入するITインフラSEを、NECならではの手厚いサポート力で強力に支援する。

 「Microsoft Azure Stack HCI はこれから普及していく技術であり、まだ十分に情報が行き届いているとはいえません。パートナー企業が初めてHCIを扱う場合でも簡単に導入でき、かつ確実に運用を続けていけるよう、導入や運用の負担軽減に注力しました」と山本主任は説明する。また、全国約400カ所(2019年3月末現在)の保守拠点で全国一律の手厚いサポートが受けられる。これは国産メーカーならではの安心材料だ。

 手厚いサポートは、ユーザーにHCSの導入を勧める販売パートナーにも用意している。その一つが、HCSを使用したシステム構築のノウハウをドキュメント化した構築ガイドの無償提供だ。

 「インフラ構築の部分も含めて全て自社で担いたいというパートナー企業には、構築ガイドの提供とともに、オンラインでの構築セミナーも検討しています。一方、インフラ構築はNECに任せて、アプリケーション構築などの付加価値の高いSI業務に注力したいパートナー企業には構築サービスを提供しますので、自社のビジネススタイルに合わせて選択が可能です」と島田マネージャーはアピールする。

「New Normal」時代に向けた
運用管理の属人性からの脱却に挑む

 Microsoft Azure Stack HCIに対応した今回の新製品は、新たな働き方への動きが求められる今後のIT環境にも大きく役立つ。ビジネスを支えるIT基盤の運用管理部門では、テレワーク導入が進む半面、トラブルが発生した際サーバー室にすぐに駆け付けることができないなどの状況も発生している。「今後のIT環境では、職人的なスキルを持った特定の個人に依存しない、『誰でも運用管理ができる環境づくり』が求められています」と山本主任。
 
山本雅洋 プラットフォーム ソリューション事業部
クラウドプラットフォーム販売推進グループ 主任

 NECは検討、構築から運用、保守までを含めてトータルでサポートすることで、「誰でも効率良く運用管理できるインフラ」の導入を支援していくという。


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NEC=http://jpn.nec.com/