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サイボウズ、大阪府八尾市が事業者サポート給付金の電子申請にkintone採用

2020/06/18 14:20

 サイボウズは6月17日、大阪府八尾市で、事業者サポート給付金のオンライン申請に業務アプリ開発プラットフォーム「kintone」が採用されたと発表した。

本人確認書類が違った場合のエラー表示画面

 サイボウズと八尾市は、18年8月に包括的な連携協定を結び、地域の課題解決に関わるワークショップや働き方改革のサポート、中小企業のものづくりを伝えるプロジェクトである「みせるばやお」の運営システムなど多方面で協力関係にある。今回、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための取り組みの一環として窓口業務での接触回避を検討するなかで、給付金のオンライン申請システム構築へとつながったという。

 町工場など中小零細企業の多い八尾市では、大阪府の給付金の枠組みから外れてしまう零細事業者向けに、八尾市事業者サポート給付金として一律10万円を支給する市独自の制度を17日に開始しており、このなかで、kintoneを基盤に使ったオンライン、郵送両面での申請受付を行う。

 システム構築にあたっては、全戸配布である個人向けの特別定額給付金と違い、今回は企業からの申し込みで、条件に合致するかどうかを市が判断する必要があることから、窓口での混雑を回避し、オンライン申請を増やすことと、その後の審査での職員負担をいかに減らすかがテーマとなった。

 このため、八尾市では申請データを集めるデータベース基盤としてのkintoneにAIやOCRによる自動読み込みを連携し、オンライン申請による申請ミスの防止と、郵送受付による転記作業の削減の両方で迅速な処理と濃厚接触の防止の両立を目指した。

 今回の給付金は、従業員数や業績など複数の条件に合致するかどうかを提出書類を元に判断するが、書類の添付がなかったり、違う書類を添付したりするケースが多く出ることが予想される。このためオンライン申請フォームでは、従来の必須項目の充足チェックに加えて、確定申告書などの各種書類のフォーマット画像をAIに覚えさせ、違う書類が添付された場合にアラートを表示し、適した書類を添付させるような仕組みを導入した。

 また、郵送では中小規模事業者の多くが手書きでの申請を行うことが予想されるため、手書き認識率が99%以上と高精度なOCRと連携する。書類をスキャンする際にkintone上の氏名、住所など該当の項目にテキスト化して自動記入させることで、審査する職員は正しいかどうかの確認だけ行えるようにした。これにより、郵送とオンライン申請の両方を同じkintoneで審査することができる。

 八尾市では、この申請システムによって、書類事務の作業時間と再確認時間が大幅に削減され、迅速な給付と事務職員の負担軽減を図ることができるとしている。

 今後は、今回の件を手始めに、各種助成や補助金の給付についてもオンライン化を促進していく予定。
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外部リンク

サイボウズ=https://cybozu.co.jp/

大阪府八尾市=https://www.city.yao.osaka.jp/

「kintone」=https://kintone.cybozu.co.jp/