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インド系ベンダーとの協業でコンサル不足解決を探る S/4HANA需要に応えパートナーの質と量を強化――SAPジャパン

2018/10/05 09:00

週刊BCN 2018年10月01日vol.1745掲載

  SAPジャパン(福田譲社長)は、最新ERP製品「S/4HANA」関連のコンサル不足解消に本腰を入れる。SAPが「SAP ERP」(旧「R/3」)の標準サポート提供期限を2025年までとしていることもあり、日本市場でも「既存ユーザーのS/4HANA移行はすでにキャズムを超えて、レイトマジョリティ層が移行プロジェクトを始めているフェーズ。S/4HANAのビジネスはいわば成熟期に入っている」(同社担当者)状況。新規ユーザーも「堅調に増加している」という。一方で、S/4HANAの導入をサポートするリソースの不足は深刻。新しい打ち手として、グローバルサービスパートナーであるインド系ベンダーとの協業を推進し、パートナーの質と量の強化に役立てたい考えだ。

服部貴志江
デジタルエコシステム統括本部
ビジネスイノベーション推進部長
 同社はこの1年で約50社の新規パートナーを獲得したが、SAPのポートフォリオは年々拡大しており、その全てがERPを扱うわけではない。国内のS/4HANA認定コンサルタントの整備も急ピッチで進めており、この1年で1500人が新たに資格を取得し、今年末までにトータルで2500人規模の認定コンサルタントを揃えたいとしているが、それでもニーズに100%対応できる体制を構築できるかというと、課題は残る。SAPジャパンの服部貴志江・デジタルエコシステム統括本部ビジネスイノベーション推進部長は、「日本の人口自体が減ってきて(IT人材の確保も難しくなって)いる中で、いかに海外のコンサルを日本企業のプロジェクトで活用できるかという検討を始めている」と明かす。

 インフォシスやタタ・コンサルタンシー・サービシズ、ウィプロなどに代表されるインド系の大手SIerは、グローバルでSAPビジネスの豊富な実績を持つ。例えばインフォシスは、「世界で1万5000人を超えるSAPの専門家がいる」(インフォシスの大西俊介・日本代表)という。こうした人材を日系企業の海外拠点での導入支援だけでなく、全社的なERP導入案件にも活用していこうという試みだ。服部部長は「初めてのチャレンジなのでまだ手探りの部分も多いが、国内のパートナーとグローバルサービスパートナーとの連携なども促し、お客様をしっかりサポートできる体制をつくっていきたい」と話している。(本多和幸)
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外部リンク

SAPジャパン=http://www.sap.com/japan/index.epx