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IoT機器の長期利用を支援 新サービス、証明書で機器の安全性を担保――サイバートラスト

2019/07/20 13:00

週刊BCN 2019年07月15日vol.1784掲載

 サイバートラスト(眞柄泰利社長)は7月9日、IoT事業戦略について会見を開き、セキュリティを担保してIoT機器の長期利用を支援する新サービス「EM+PLS(イーエムプラス)」を発表した。今秋、提供を開始する予定。また、同サービスの主要な構成要素となる組み込み向けLinux OS「EMLinux(イーエムリナックス)」の提供を同日開始した。

 EMLinuxは、Linux FoundationのCIP(CivilInfrastructure Platform)プロジェクトと連携して、10年間にわたってセキュリティパッチを提供。これにより長期的な脆弱性対応が可能になるという。また、製造業向けに最適化されたOSとして、「リアルタイムOSとも共存する」(伊東達雄副社長)としている。
 
サイバートラストの伊東達雄副社長(左)と東芝デバイス&ストレージの松井俊也事業部長

 EM+PLSではこのほか、機器が本物であることを担保するため、サイバートラストが従来提供してきた「セキュアIoTプラットフォーム」を活用。外部から改ざんがされにくい(耐タンパー性の高い)領域に機器の識別情報(固有鍵)を書き込み、公開鍵基盤(PKI)技術を用いて、その機器が本物であるかどうかを識別し、デバイスを安全に管理することができる。

 さらに、開発から保守運用までのサプライチェーン全般の安全性を担保するツール群も提供する。「サイバートラスト独自でも出していくが、いろいろなパートナーとツールを拡充していきたい」(伊東副社長)考えで、7月5日には大日本印刷と業務提携し、イスラエルのVDOOのIoT機器向け脆弱性対策ソリューションの提供を開始。そのほか半導体や組み込み、クラウド、販売などの各領域で現在までに16社と協業関係にあるという。

 その一環として、東芝デバイス&ストレージと提携することもを明らかにした。同社製マイコンにサイバートラストのセキュアIoTプラットフォームを組み合わせ、IoT機器の設計から廃棄までの過程において機密性、完全性、可用性を確保したシステム構築を目指すという。東芝デバイス&ストレージの松井俊也・システムデバイス事業部事業部長によると、現在、技術要件やスペックなどの検討に入っているといい、「早ければ来年後半にリリースしたい」としている。

 サイバートラストの伊東副社長は「長期利用できるLinux、本物性を担保するトラストサービスの提供、コンプライアンスに対応し信頼性を担保するツールの拡充の三つを統合したサービスであるEM+PLSでIoT戦略を進めていく」と強調。「秋にリリースして、随時アップデートしていきたい。いろいろなパートナーやツールと連携して、グローバル展開も目指したい」と意気込んだ。(前田幸慧)
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外部リンク

サイバートラスト=https://www.cybertrust.co.jp/