数年来に渡り、次世代携帯無線端末の開発に関するさまざまな技術交流を進めてきたドイツテレコムとマイクロソフトが、この新市場における基盤を確立するための綿密な計画を推し進めている。それは、最近の一連の動きから浮かび上がってきている。

 WiFiネットワークの全米展開を積極的に進めてきたものの、資金難により昨年末に倒産したモバイルスターを買収したシアトルのボイスストリームは、ドイツテレコムの子会社である。また、ドイツテレコムが運営しているドイツ最大の無線キャリアであるT-モバイルは、既に全世界で4400万顧客を抱える規模を誇っており、モバイルスター及びボイスストリームというWiFiブランド名を、T-モバイルブランドへ統合する作業が進んでいる。

 そして、ドイツテレコムがマイクロソフトのウィンドウズ・スマートフォン 2002を、次世代携帯無線端末のシステムに選択した事が3月13日に報道された。

 次世代無線インターネット環境としてもてはやされた3G環境の構築に費やした費用と労力に疲弊している米国無線キャリアを尻目に、WiFiを突破口として米国次世代携帯無線端末市場に乗り込みたいドイツテレコムと、次世代携帯無線端末市場を、.NET空間に包含される1つの大きな場として捉えているマイクロソフトとの間で、一定の利害一致が見て取れる。

 WiFiと3Gという、そりの合わない2つの技術基盤に関連した市場の動向をいち早く察し、来る次世代市場における主導権を的確につかむための最大効果をもつ戦略を一直線に突き進んでくるマイクロソフトには、企業規模世界一を創業20年余で達成しただけの企業力が感じられる。

 今後この流れの中でWiFiと3Gが統合化していくと、現状とは全く異なるメンバーによる新しい市場勢力が、次世代携帯無線端末市場に生まれるかもしれない。(米サンノゼ発)