取材相手から、よく聞かれる。

 「勢いのある会社はどこか」、「どんな分野が伸びそうか」

 そういう質問をする人ほど、ビジネスの最前線でバリバリ仕事をしている。しかし、時には周りが見えなくなり、市場動向に疎くなる場合があるらしいのだ。

 最近勢いのある分野と聞かれた時には「ストレージ」と「セキュリティ」と答えている。DASからSANへの移行時という状況、企業の基幹システムでその重要性が高まっていることを考えると、今後ストレージが盛り上がることは間違いない。

 セキュリティにしてもそうだ。昨年9月11日以降、関連企業の発表が軒並み増加し、会見で「9月11日」というフレーズを聞かないことはない。企業のIT投資の優先順位でも、最高のプライオリティを与えられている、と言われている。

 だが、このような情報を取材対象者に話したとしても、彼(あるいは彼女)が属する企業がすぐさまこうした市場に参入することはない。

 彼らはこのような小さな情報をさまざまな場所で集め、先を読みながらビジネス戦略を組み上げていく。記者はその戦略を読もうと取材を続ける。このようなサイクルが、IT業界の水面下で繰り広げられている。