旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->5.ヨセミテ国立公園

2002/05/20 15:27

週刊BCN 2002年05月20日vol.941掲載

 最初の旅から20年後の1997年9月、カナダのカルガリーから空路ソルトレイクシティを経由、サクラメントに向った。

 カルガリーを離陸して約2時間、眼下に異様な景観が広がっていた。良く見ると、塩湖らしいものが延々と続いている。これがソルトレイクシティの名がついた理由だ。

 そのソルトレイクシティが、今年の冬期オリンピックの開催地になり、連日テレビで放映されていた。その熱戦を見ながら、偶然機上から見た景色を思い出し、ある懐かしさを感じていた。そして、何気なしに撮ったあの写真が大変貴重なものに思えてきた。

 サンフランシスコの東、350キロほどのネバダ山脈のなかに、ヨセミテ国立公園がある。氷河に削られた雄大なU字型渓谷と切り立った岩壁、落差世界第3位の巨大な滝、冷たい清流と湖、そしてセコイヤの大木が高く林立する鬱蒼たる森。それらのどれを見ても、スケールの大きさと、大自然の美しさに驚く。

 断崖のグレーシャーポイントからの眺望は絶景で、ハーフドームの右側遥かに大峡谷の広がりが一望できる。

 エルキャピタンは、高さ1000メートルを越す垂直近い一枚岩で、ロッククライマーの憧れの地である。その絶壁に挑むクライマーたちは、夜を宙吊りのままで過ごし、何日もかけて登頂するという。それらの人たちの姿を双眼鏡で見ることができた。その強靭な体力と不屈の意志をこの眼で目視し、驚嘆と感動の余りに暫くはそこを立ち去ることができなかった。

 サンフランシスコ郊外の南北に連なる小高い山波の上に、物凄い数の大型風力発電機がずらりと並んで、強い海風を受けて勢い良く回っていたのは素晴らしい壮観であった。
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