Letters from the World

移動体通信先進国、日本

2002/06/03 15:37

週刊BCN 2002年06月03日vol.943掲載

 米国はインターネットの活用が世界一であることは言うまでもない。ドメイン数も「.CO.JP」が50万ドメインにたいして、「.COM」ドメインは3000万を超えている。しかし、インターネットを利用する消費者の立場から考えると、米国と日本では状況が違う。日本では最近になってインターネットの利用者数が発表になったが、その数には携帯電話によるインターネットアクセス者が含まれている。

 言うまでもなく日本ではパソコンを利用したインターネット利用者よりも、携帯電話を使ったインターネット利用者数の方がはるかに多い。米国ではほとんど携帯電話でインターネットを利用する人はいない。最近になって、AT&Tを通じてドコモのiモード(米国ではmモード)が開始されたが、まだテストの段階だ。日本では長い間、電話代が必要なダイアルアップが足かせでインターネットの利用者数が伸び悩んだ。その反発でADSLやケーブルが急激に普及した。

 また、最近では有線から128kbpsの無線にアクセスが移行し始めている。そして今年中には11MbpsのワイヤレスLANによるアクセスまでが可能になる。米国では、インターネットはデスクトップパソコンから有線で使うことが常識とされている。これに対して、日本はノートパソコンや携帯端末、携帯電話から無線によるアクセスが常識になっているのだ。まだまだ、情報発信をする企業側のインターネットの利用が遅れている日本だが、インターネットの利用者という面では、移動体を使ったインターネットアクセスを中心に日本が世界をリードしていることは言うまでもない。この技術を日本国内にとどめるのではなく、世界のリーダーとして世界に提供してもらいたいものだ。(米シアトル発)
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