Letters from the World

米国の無線データ通信事情

2002/10/28 15:37

週刊BCN 2002年10月28日vol.963掲載

 日本ではiModeを中心に携帯電話やPHSを使ったモバイルデータ通信が日常使われている。携帯電話は話すための道具ではなくデータ通信の道具になっている。しかし米国では携帯電話を使ったデータ通信はまさにスタートしようとしているところなのだ。

 日本ではiModeを中心に携帯電話やPHSを使ったモバイルデータ通信が日常使われている。携帯電話は話すための道具ではなくデータ通信の道具になっている。しかし米国では携帯電話を使ったデータ通信はまさにスタートしようとしているところなのだ。最近、AT&Tワイヤレスがスタートしたmライフ(mモード)と呼ばれるサービスを利用することができる携帯電話を購入、米国の携帯端末を使ったデータ通信に関して調べてみることにした。

 ちなみにAT&Tワイヤレスの大株主はドコモなのでmモードは米国版iモードのようなものだ。まず購入した携帯電話はソニーエリクソンの「T68i」と呼ばれる携帯。ブルートゥースまで搭載したGSM規格では最新のものだ。GSMネットワークと言われてもよく分からないが、デジタル無線電話のネットワークで日本ではCDMAが多いが、米国やヨーロッパではGSMと言う規格を使うらしい。

 通話料金は月額約40ドルで500分の通話時間が含まれている。この時間内は米国内どこに電話をしても無料なのだ。これでmモードでホームページを使ってと思ったら、そう甘くはなかった。GSMネットワークはデジタルネットワークだが、データ通信を利用するためにはGPRSと言う別のネットワークに入らなければならない。これが通信従量制で8Mbpsで月額19.99ドル。

 ようするに最低でも月額60ドルはないと携帯電話とデータ通信はできない。今の時点では画面が小さく日本のiモードのようにはこなれていない。メールもGSM側とGPRS側の2つがある。GPRS側はログインしなければ使えない。そこで、次回はブルートゥースを使ってパソコンと接続してダイアルアップネットワーク用のアクセスデバイスとして携帯電話を使う話をさせてもらう。日本ほど進んでいいない米国の無線データ通信が動き始めた。これからは目が離せない分野であることには間違いない。(米シアトル発)
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