北斗七星

北斗七星 2003年1月13日付 Vol.973

2003/01/13 15:38

週刊BCN 2003年01月13日vol.973掲載

▼新年の仕事始め早々に、コニカとミノルタが経営統合するとのニュースが飛び込んできた。IT業界に再編の嵐が吹き荒れる中で、これまで光学・事務機器業界は比較的穏やかだっただけに、急を告げる動きだ。統合後、カメラ製品はミノルタブランドに統一され、コニカの名前は市場から消える。ブランドを捨てての生き残り策。岩居文雄・コニカ社長が下した判断には、並々ならぬ決意が感じられる。

▼記者会見の席上、岩居社長の言葉に不思議な感覚を覚えた。会見は最初に岩居社長が説明に立ち、次いで太田義勝・ミノルタ社長にバトンを引き継いだのだが、その中で岩居社長は「太田とかねてより話し合った結果、今回、経営統合で合意しました」、「詳細説明は太田の方が致します」など、太田社長の名を敬称抜きで何度か呼んだ。両社は経営統合で合意したとはいえ、現段階ではまだ“他人の仲”。通常、こうした会見では○○社長、××社長と呼び合うことが多い。にもかかわらず敬称を略してしまったことに、2人の蜜月ぶりを垣間見た気がした。

▼コニカ130年、ミノルタ75年。それぞれに長い歴史をもつ両社が統合に踏み切る最大の目的は、キヤノン、リコー、ゼロックスの“3強”を「追撃する」(岩居社長)ことにある。12社が競合する複写機市場、16社が乱立するデジタルカメラ市場で、トップ集団に食い込むための“勝利の方程式”が今回の決断。これまで無風だった光学・事務機器業界にも、今年は一気に再編の波が訪れそうな気配だ。
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