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大塚商会が「IT総合賞」受賞

2003/03/10 15:27

週刊BCN 2003年03月10日vol.981掲載

 「10数年間の大戦略を30分間で話すのは、容易ではないが」――。日本オフィスオートメーション協会(秋元勇巳会長)が表彰する2003年度「IT賞」の最高位に当たる「IT総合賞」を大塚商会(大塚裕司社長)が受賞。その喜びの弁を語るカンファレンスで、同社の齋藤廣伸・経営企画室理事は、冒頭こう切り出した。

 その上で当時を振り返り、「1981年以降、業務のEDP(電子データ処理システム)など、各種経営改革を進めたが、在庫や借入金が増大した」と、事も無げに自社の“失敗”を赤裸々に語り、参加者を驚かせた。

 この危機を脱したのは、93年に発足し大塚・現社長が陣頭指揮をとった「大戦略プロジェクト」。発足後、10年近く徹底したブレインストーミングを慣行、体質強化を図った。この経緯を聞けば、冒頭の“ネガティブトーク”も自信の現われだったことに気づく。

 当然、この欄の短い行数では同社の“奇跡”は語り尽くせない。だが、事実として十数年間で在庫や有利子負債が大幅に減少。この2月には発展の象徴として新社屋が完成――と相成る。まさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」。だが、同社は次なるミッションで「プロジェクトV」を発足。「成功するまでやり続ける」(齋藤理事)と経営革新はとどまることを知らないようだ。
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