北斗七星

北斗七星 2003年3月10日付 Vol.981

2003/03/10 15:38

週刊BCN 2003年03月10日vol.981掲載

▼ホワイトボックスが復活の兆しを見せている。九十九電機が始めたイーマシンズ製の低価格パソコンへの関心が高いことを見て、大手販売店も再度ホワイトボックス販売へ挑戦しつつある。過去何度かブームが来てはいつの間にか消えていった路線だが、欧米、とくにドイツなどでは完全に定着しているという。ホワイトボックスの魅力は、その安さにある。ブランドメーカーにとっては、デルコンピュータのダイレクト販売に続いての難題登場といえるかもしれないが、もう少し広い視野で見ると、業界活性化にはプラス効果をもたらすのではないか。

▼もっとも、初心者はホワイトボックスには手を出さないだろう。当面考えられるユーザーは、2台目、3台目の購入を考えている層だ。一通りのソフトはもっており、動作スピードだけを上げたいと思ったら、高スペックのパソコンが5万円以下というのは魅力だ。

▼問題は、初心者にさらに高度な使い方をどう教えていくかだ。現在のコンシューマ市場でのパソコン購入者の80%はインターネットとメールにしか関心がないといわれる。これでは最新パソコンの高度な機能も宝の持ち腐れである。映像系のコンテンツを扱おうと思えば、2年前のパソコンでは重くてどうしようもない。こうした層がホワイトボックスに流れ、高機能を必要としない初心者が重装備パソコンをもっている。いささか皮肉な構図だが、このギャップを埋める努力が業界を再度活性化させる道だろう。
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