旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->32.ヨーロッパの旅 IV-(5)ウィーン(その2)

2003/07/07 15:27

週刊BCN 2003年07月07日vol.997掲載

 ドナウ運河からリングと呼ばれる環状道路が旧市街を一周している。何列もの緑の街路樹に蔽われていたり、重厚な建造物の間を縫ったりして、リングはいろいろな顔をしている。そこを2両連結の路面電車が走っており、主な観光スポットはこのリング内と周辺に集まっている。

 ハプスブルク家歴代の君主が居住したホーフブルク王宮は650年の歴史があり、正門のミヒャエル門は18世紀に建てられた。

 この夜はウィーン交響楽団の本拠地楽友協会ホールで、有名な日本人歌手のコンサートを聴き、同席した駐在大使の夫人や在留邦人のご夫人方と交流懇kし、海外居住者の生活の一端を知ることができた。

 翌日郊外のシェーンブルン宮殿を訪ねた。17世紀初頭にハプスブルク家の夏の離宮として建てられたが、18世紀半ばにマリア・テレジアが大宮殿として完成させた。建物も庭園も非常に規模壮大で、最盛時の強大な権勢を今に伝えている。ルイ16世に嫁ぐまで住んでいた悲運なマリー・アントワネットの部屋があった。

 宮殿の内部は豪華絢爛で、多くの絵画や美術品で飾られていた。庭園はフランス式で広大だが、幾何学的で私の好みではなかった。

 郊外の中央墓地にはウィーンで活躍した世界的なケ楽家たちが埋葬されていた。右からシューベルト、モーツァルト、ベートーベンの墓が並び、近くにヨハンシュトラウス父子とブラームスの墓があった。思いも寄らぬ光景に感動し、夢中でシャッターを切った。ホテルの近くにオペラ座があり、商店街ケルントナー通りも近く、伊勢丹もあった。

 ウィーン最後の夜はオペラ座で観劇した。ストーリーを読んでいたので、言葉はわからなくてもそれなりにオペラを楽しむことができた。舞台や衣装、歌や雰囲気など、初めて知る世界に圧倒され、あっという間に終わっていた。
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