約40％増――。日本アイ・ビー・エム（日本IBM）の堀田一芙・常務取締役ソフトウェア事業部長は、意味深な数字を示す。

　業績やシェアなどの具体的な数字を明かさないのが日本IBM。ソフトウェア事業部門のトップから飛び出した数字に、聞く方は「何の数字か」と興味津々。

　「約40％増」の示すところは、マスコミに登場した日本IBMのソフトウェア事業の関連記事の数を前年と比べた伸び率。確かに堀田常務が昨年7月1日にソフトウェア事業部長に就任して以来、ソフトウェア関連の記事が増えた感がある。

　堀田常務の顔を紙面上で見る回数も、以前にパソコン事業を担当していた頃よりも多くなった印象。現職に就任直後、初めて開いた「ホームページビルダー」新バージョンの発表会も、堀田常務の強い希望で開催したとか。

　ソフトウェア事業という中核を担う部門だけにアピールするポイントも多いが、記者会見には、「どんな内容であろうと出席する」という堀田常務。自らが広告塔となってアピールを買って出ている。「40％増」という数字は冗談なのか、本気で数えてみたのかはわからないが、「IBMのソフトウェア事業は注目されている」という主旨の、これも1つのアピールなのかも知れない。