BCN FORUM

真夏の怪談

2004/08/09 15:27

週刊BCN 2004年08月09日vol.1051掲載

 「コンシューマ向けパソコンの販売が不振な理由は、エアコンの販売が好調なため」。電子情報技術産業協会(JEITA)がこのほど開催したパソコンの2004年度(04年4月-05年3月)第1四半期出荷実績の発表会で、JEITAコンピュータ事業委員会の片山徹委員長の口から飛び出した発言だ。

 発表会に出席した多くの記者が唖然となった。「なぜ、エアコンが売れるとパソコンが売れないのか」という質問が何度も飛び交う。エアコンが売れたからコンシューマ向けパソコンが売れなかった──ではどうにも説明がつかない。エアコンとパソコンに因果関係は???

 JEITAの説明では、「家庭内の財布は1つ。エアコンを購入したため、電子機器への予算がなくなりパソコンを購入しなくなった」(片山委員長)ということらしい。それでも納得がいかない記者に対し、調査会社のデータをもとにエアコンの販売が好調なことを切々と説明。加えて、パソコン幹事会の木村政孝幹事長の「予期せぬ競合製品が登場した」との発言はダメ押しの一言。

 あくまでも「夏の暑さのせい」と言い張るJEITA。パソコン業界は、デジタル家電ばかりかエアコンの好調に背筋を寒くしているようだが、聞いてるこちらは、実体をつかめない幽霊のような話に聞こえたが…。
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