旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->73.バリ島とボロブドゥールの旅-(3)神秘的な伝統と文化

2004/09/06 15:27

週刊BCN 2004年09月06日vol.1054掲載

 いよいよ最後の日、早朝初めてホテルのプライベートビーチに出た。広い白浜が続く、美しい夜明けを眺め、今日帰るのが惜しくなった。

 バリ芸術の都、山あいのウブドに向かう。ローケツ染めの更紗や、金銀細工、そして独特のウブドスタイルの絵画など、いずれもそのレベルは高い。われわれはそれぞれお気に入りの品の値段交渉に時間をかけ、かなりの買物をした。私も田園風景の棚田の大画を1枚奮発した。

 キンタマーニ高原。標高1717メートルの活火山バツール山と、その溶岩流に塞き止められたバツール湖の周辺は、バリ島随一の景勝地として知られている。外輪山の展望所からの眺めは雄大で、しかも涼しく時を忘れさせる。景観を眺めながらゆっくりと昼食をとる。帰路、聖なる泉の寺、ティルタ・エンプル寺院を訪れた。湧き出る聖なる泉は万病に効くといわれている。寺院隣の高台に故スカルノ大統領の別荘があった。

 イスラム圏のインドネシアのなかで、バリ島の住民は93%が信仰心厚いヒンズー教徒で、神秘的な伝統と文化を保ち続けている。しかもそのレベルは高く、旅行者を魅了して止まない異国情緒がある。レゴンダンスもケチャックもガムランの音も素晴らしい民俗芸能で一度知ったら病みつきになりそう。

 今回の旅は盛沢山だった。もっとゆっくりホテルの海辺で遊び、レゴンダンスやケチャックを楽しみたかった。そんな想いを残しながら南国の楽園を後にした。
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