米市場調査会社のピューインターネット&アメリカンライフプロジェクトが興味深い調査を行っている。それによると、米国内のインターネットユーザーのうち、かなりの割合がIT関連の用語の多くを知らなかったり、誤解していたり、もしくは分からないまま聞き流していることが多いことが判明したという。

 比較的新しい用語である「ポッドキャスティング」や「フィッシング」などに対して「意味が分からない」の割合が高いのは仕方がないとしても、「以前にこの言葉を聞いたことがない」ものとしては1番だった「RSSフィード」でさえその数字は26%程と、全く知らない言葉は意外と少ないようだ。

 このことから分かるのは、多くのユーザーが、聞いたことはあってもそれを理解していない、結局は分からないままにしているということである。これはいささか問題であると言わざるを得ない。

 会話の中でその片方のみが言葉の意味を理解しないままだと、いつかその綻びは露呈するだろう。ネットを経由したやりとりがより複雑化、より詳細化していくに連れ、この問題はいつか大きな事故を引き起こすことになるような気がしてならない。

 かつてなにかのイベントで、AOLのスティーブ・ケース氏の講演を聴いたことがある。彼はAOLが提供するブロードバンドにより、家電や家など人々を取り巻く環境がインターネットによって一変することを力説し、その中での自社の重要性を語っていた。そんな時1人の中年女性が挙手をして質問した。「貴方はさっきからずっと『TCP-IP』で家とネットが繋がると言ってますが、そもそもTCP-IPとはなんですか」。会場は爆笑の渦に巻き込まれた。

 もしかしたら彼女はライバル社による“サクラ”だったのかもしれないが、あの時より一層ネット化した今日では、このようなケースが実生活で起こる可能性は高い。大きなトラブルになる前に、一般に使用する用語の周知徹底はどこかで必要になるかもしれない。(米ニューヨーク発)