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セキュリティは武器

2005/11/21 15:27

週刊BCN 2005年11月21日vol.1114掲載

 ヤフーが、「Yahoo!オークション」のセキュリティ強化を進めている。全出品アイテムの365日24時間監視や、厳密な本人認証体制を構築しているなか、今月14日にはデータマイニング技術を活用した不正利用検知システムを年内に稼働させると発表。約1億円投資する。

 背景には「詐欺目的や知的財産権侵害などの不正出品撲滅が、業績を伸ばすうえでの最重要課題」(殿村英嗣オークション事業部長)との考えがある。

 「Yahoo!オークション」の平均総出品アイテム数は1か月881万件、利用会員は569万人にものぼる。1日の平均取扱金額は16億7000万円で、「国内最大級のオークションサービス」の地位を確立している。しかし、急成長市場でも「ここ数年は伸び悩んでいる」(同)。

 その打開策として、出品アイテムの拡充や利便性の向上よりも、セキュリティ強化を重要視しているのだ。

 かつて、セキュリティといえば「投資対効果が見えない」とか「業績に何も貢献しないIT投資」と言われていた。その状況は今や一変。情報漏えいや不正アクセスの多発、フィッシングサイトやスパイウェアの登場により、セキュリティはネット社会にとって不可欠になった。強固なセキュリティ対策は、ユーザー獲得の“武器”に変貌してきた。(鈎)
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