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もっと店頭でPRを

2006/09/11 15:27

週刊BCN 2006年09月11日vol.1153掲載

 一般消費者向けのパソコンソフト販売で、複数ライセンスパックは一般的になった。2ライセンスはもちろん、5ライセンスや10ライセンスパックも登場。家電量販店などの店頭ソフトコーナーでは、当たり前に目にする。

 パソコンの普及率が高まり、「一家に一台」ではなく「一人一台」の環境に近づきつつある。使うソフトも当然1ライセンスでは足りなく複数必要になり、メーカーがその要望に応えている。しかし、メーカーの本当の狙いは家庭需要の取り込みにあるのではなく、中小企業ユーザーの顧客開拓だ。

 先日、ある量販店のパソコンソフト売り場で、某大手のセキュリティソフトの箱を、10本ほど抱えてレジに向うスーツ姿の男性を見かけた。中小企業やSOHOは、事務所で使うソフトでも店頭で購入するケースが多い。メーカーが複数ライセンスパックを出す本当の理由は、法人販売チャネルでは獲得しにくいSOHO・中小企業を店頭でつかもうとしていることにある。

 とはいえ、前出の男性は複数ライセンスパックがあるにもかかわらず、単体パックを10箱購入しようとしていた。ショップ店員の助言で複数ライセンスパックを購入したが、どうやら複数パックを知らなかった様子。店頭で企業ユーザーを獲得するという意気込みは分かるが、そのわりにはプロモーションが足りないようにも感じる。
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