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ホワイトカラーエグゼンプション

2006/12/18 15:27

週刊BCN 2006年12月18日vol.1167掲載

 SI業界にとって今年は人材不足がより深刻化した年だった。SE・プログラマの不足を口にしないSIer経営者はほとんど皆無だ。

 残業時間も長引く傾向がある。情報処理推進機構(IPA)の調べによれば、情報サービス産業の残業時間は全産業の平均値に比べて2倍余りと多い。足らない人手を残業でカバーしている様子がうかがえる。

 こうしたなか、ホワイトカラーに労働時間規制の適用を免除する「ホワイトカラーエグゼンプション制度」の導入が政財界を中心に検討され始めている。仮にSE・プログラマに適用するとなれば、どんな影響があるのか。

 残業や労働時間の概念がなくなり報酬は成果と直接連動する。ただでさえ長い残業時間が、この制度の導入でさらに長くなるのか? たとえば短時間で成果を出す優秀なプログラマは時給換算で3000円の高給。そうでないとアルバイト程度の時給──などとは考え過ぎか。

 みんなが高給になれば問題ないのだろうが、大多数の普通のSE・プログラマはそうはいかない。「3K職場」が広がり人材不足に拍車がかかるとの厳しい指摘があると同時に、そもそも人手不足なのだから人件費は削れないという楽観的な見方もある。

 将来どのように労働条件が変わろうとも、優れた人材は魅力ある職場で育つことを忘れないようにしたいものだが。
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