▼「発掘! あるある大事典II」の番組捏造事件は、その番組を制作した関西テレビの千草宗一郎社長の辞任で一応の決着をみた、と当事者は考えているらしい。だが、収まらないのは数多くの視聴者だ。納豆を買いに走り、毎朝せっせと掻き混ぜたのにどうしてくれるんだ!と怒るのが素直な感情だろう。

▼テレビのニュースなどでは、監督官庁である総務省へ出向いた千草社長が釈明とお詫びをするシーンが何度も映し出されたものの、視聴者への説明とお詫びの会見はなかった。「視聴率第一主義のテレビ局は、視聴者第一主義ではない」と、苦言を呈する新聞記事も目にした。詰まるところ、制作コストを削られ、期限に追われた下請け制作会社が捏造に走ったというのが事件の経緯だった。この構造は、テレビに限らず、さまざまな業界に横たわっている。

▼2011年7月24日をもって、テレビのアナログ放送が終了し、地上デジタル放送に切り替わる。デジタル放送となれば、コンテンツの量が莫大に増える。量をこなしながら、質を保つというのは至難の業だ。どこかに歪みが生じて、捏造まがいのコンテンツが生まれなければいいがと懸念する。

▼歴史が古いということもあって、紙の活字メディアは他の媒体に比べて、多少、信頼性が高いと思われているようだ。ありがたいことだが、その分、責任も重いと受け止めている。関西テレビ事件を他山の石として、コンテンツのあり方を真摯に追求していく所存である。