最近買った日本のデジタルカメラに、「著作権侵害に気をつけましょう」との趣旨が書かれたシールが貼ってあったのに驚いた。ごもっともな注意書きだが、伊藤穰一取締役は、「本来は“撮った写真や映像をネットにアップして、みんなで共有して楽しみましょう”と書くべきじゃないのか?」と疑問を呈する。

 カメラメーカーとしては、高価な業務用カメラを多数購入してもらっている放送局や番組制作会社などコンテンツホルダーに配慮したのかも知れないが、同時に「一般のアマチュアユーザーのエンパワーメントにもっと力を入れるべき」と伊藤氏は考える。日本の有力産業である家電業界が、一般ユーザーのメリットを代弁できないようでは、先行きが不安視されるというわけだ。

 伊藤氏は、デジタルガレージの役員やネットベンチャー投資を手がける傍ら、著作権の一部をユーザーに開放し、ネット上の創造活動を促進する国際団体クリエイティブ・コモンズのCEOも務める。グローバル規模の競争をリードするためには、お堅い既存の枠組みを自ら突き破ることが日本の家電メーカーに求められている。