北斗七星

北斗七星 2008年10月27日付 Vol.1257

2008/10/27 15:38

週刊BCN 2008年10月27日vol.1257掲載

▼昭和後半世代の学徒は、学校にあるテレビを使った学習の記憶に乏しいだろう。せいぜいNHKの教育番組を視聴したり、道徳の題材に面白くもない録画を視て感想文を書く学習をした程度だ。常時、教室にテレビを置く学校はある。だが、「教育上、不適切な番組を視る可能性がある」と普段は使えない状態で鎮座している。

▼全国の小中高校が保有する「テレビ受像機」は約60万台(文部科学省調べ、2008年2月現在)。この学校テレビは、2011年7月のアナログ停波までに地デジに完全移行する必要がある。同省によれば現在のデジタル化率はわずか1%。同省や教育関係者らはデジタル化で「視るテレビ」から「使うテレビ」に変わる、とパソコンや周辺機器を接続した授業の実施を促す。

▼最近では、「電子黒板」と呼ぶ液晶パネルとパソコンなどを組み合わせた授業が増えた。しかし、「テレビのほうが簡単」と、機器操作に自信のない先生からはこんな声を聞いた。同省は09年度の概算要求にデジタル化の半額補助として三年間で総額345億円を計上。1台換算の補助額は約5万7500円になるが、これを倍額にしても12万円弱でデジタルテレビなどを購入しろ、という勘定だ。デジタル化すればIPと放送が融合し、手軽で授業の教材として幅が広がる。地方ITベンダーの収益源の多くを占める学校関係。国の予算がもう少し手厚くなれば、ソリューション提案の機会が増え、地方のIT需要も高まるはずだ。
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