「電話サポートをやめる? そんなことができるのだろうか。思いあまって、何人かの会社経営者に相談してみました。が、結局は、全員から猛反対されたのです。(略)しかし、私はどうしても『電話サポートへの疑問』を解消することができなかったのです」(前書きより)。

 プロバイダ事業を展開するインターリンクの経営者・横山正氏(著者)は、サービス業に不可欠という常識がまかり通っている電話サポートを、英断をもって廃止した。3年前のことである。お客からクレームが殺到して会社のイメージが落ちるかもしれない、売り上げが大幅にダウンするのではないか……。さまざまな不安を抱えながらも廃止に踏み切ったプロセスが克明に記されている。

 インターリンクはなぜ、電話サポートをやめる決意をしたのか。特定の顧客からの頻繁なクレームや問い合わせに消費されている時間が対応時間全体の9割を占めており、結果的にサポートを利用しない顧客が料金面などで不利益を被っていることが浮き彫りになったことも一因という。だが、大きなきっかけになったのは、サポート要員として絶大な信頼を寄せていた社員が、顧客の対応に堪えきれず「うつ病」に罹って休職を余儀なくされたことだった。

 もちろん、電話サポート廃止に代わる策は講じられている。その詳細については省くが、結果的に同社は売り上げを伸ばし続けている。常識破りの策が、会社も社員も、お客をも幸せにしたのである。(止水)

『電話サポートやめたら、みんな幸せになれた!』
横山正著 明日香出版社刊(1500円+税)