部下を強くし、営業を強くする

 書籍のタイトルからすると、営業チームづくり(創り)の方法論が示されていると想像できる。「指南書のように小難しい営業理論が書かれているのでは」と敬遠することなく、営業の体制づくりに悩む管理職には、迷わず手に取ってほしい一冊だ。中堅事務機ディーラーを題材にし、小説風に書かれているため、よりリアルな感覚で営業を強くする術を知ることだろう。

 本著の“主役”は、五十嵐卓也というトップセールスの管理職だ。本著者は実際に、リコージャパンの販売戦略本部で「販売力強化センター」を担当していたことから、恐らく五十嵐の所属は、大塚商会のような大手流通卸を想定しているのだろう。その五十嵐が社長の特命で卸し先の中堅事務機ディーラーを立て直すために出向。大手流通卸で長年培った営業手法をディーラーの現場リーダーに注入していく。

 大手と異なり、資金力や人的リソース、販売する商品・サービス、収益モデルなどが異なる。だが五十嵐は、「営業プロセスを最適化し、マネジメント力を強化すれば、どんな販売会社だって、商品力に頼らず業績の最大化は可能」という考えのもと、ディーラーのリーダーに説いていく。だが、“物語”の前半は思うようにいかない。勘と根性で突破してきたディーラーのリーダーからの反発も受ける。

 しかし、五十嵐の理論で営業体制を改革すると、徐々に芽を出し始める。そんな流れのなかで、営業プロセスの見える化や顧客セグメントなどの方法論が登場する。ドラッカーの理論のマンガ本のごとく、さらっと読み進めることができ、楽しみながら営業を強くする方法を知る。(吾)

営業を仕組み化し、
部下のやる気を最大化する、
最強のチーム創り
『ザ・マネジメント』
杉山 大二郎 著
幻冬舎 刊(1400円+税)