▼本稿執筆は東京五輪開幕前だが、来日した選手から既に新型コロナウイルス感染者が確認されている。陽性者本人は出場することができないが、濃厚接触者は試合の6時間前に行うPCR検査で陰性が確認されれば、出場が認められる方針だという。通常、濃厚接触者には14日間の自宅待機が要請されていることから、この方針は五輪の運営を優先した極めて特例的な措置だ。

▼「プレイブック」に反して入国当日から外出する関係者の存在が報じられるなど、選手らと一般市民との接触を避ける「バブル方式」は開会前から機能不全が指摘されていた。会期中にどこまで感染が広がるのか、不安はつきない。

▼サイバーセキュリティの世界では、「境界型防御はもはや限界」と言われるようになって久しい。クラウドやモバイルの活用がこれだけ盛んになれば、利用者やIT管理者がどれだけ気をつけていても脅威を完全に抑え込むことはできず、安全を担保するにはゼロトラストのような新たなモデルが必要となる。とっくに崩壊しているバブルの修復に追われるよりも、今たち向かおうとしている脅威がどれだけ制御可能なのか、冷静に見つめ直すことが必要と言えるだろう。(螺)