不安と向き合い前に進む

 仕事やプライベート、人間関係、金銭など、日々の生活の中ではさまざまな場面で「不安」を感じることが多い。加えて、新型コロナウイルス感染症によりこれまでの日常が一変、普通できていたことができなくなった中で、人々が抱える不安はさらに増大した。まさに本書のタイトルにもある「不安な時代」となっている。
 

 不安は抱え過ぎると精神的に参ってしまうなど、マイナス面が強いのはもちろんだが、一方で著者は「不安を感じることで、体が動かなくなったり、頭の働きが止まってしまうのは本能によるものだ。その結果、不必要なリスクを取らずに済むようになっている。いわば『自分を守るためのボディガード』の役割を果たしている面もある」と、人にとって必要な要素でもあることを指摘する。

 そのため、不安を感じた際には、ボディガードが来てくれたと思い冷静に向き合うことで、上手く不安と付き合うことができるとしている。

 本書では、仕事、人間関係、金銭、健康などのテーマごとに、不安の原因と対処方法などを紹介している。簡単に試せる対策も多く記されているため、まずは参考程度に日々の生活に取り入れてみてもいいかもしれない。行動することで、何らかの変化を実感できるはずだ。

 タイトルから受ける印象により暗い内容を想像していたが、不安の本質を理解し向き合うことで、前に進めることを示した明るい内容となっている。読後は、気持ちが少し軽くなりプラス思考になれる一冊だ。(帆)


『不安な時代をどう生きるか』
本田 健 著
大和書房 刊(1500円+税)