北斗七星

北斗七星 2022年8月29日付 vol.1936

2022/09/02 09:00

週刊BCN 2022年08月29日vol.1936掲載



▼自宅に固定電話がある。呼び出し音が鳴ると、家族と押し付け合いが始まる。しかし、出ると勧誘やアンケートがほとんど。あまりの煩わしさから、留守番電話にすぐに切り替わるように設定した。押し問答はなくなったが、代わりに電話機がほこりまみれになり、掃除が新たな火種になっている。

▼かつて多くの家庭にあった固定電話だが、保有率は減少の一途をたどっている。総務省の「通信利用動向調査」によると、2010年の固定電話の世帯保有率は85・8%だったが、21年は66・5%まで減った。

▼企業では、コロナ禍でオフィスの電話を見直す動きが出ている。情報通信ネットワーク産業協会がまとめた「通信機器中期需要予測[21年度~26年度]」では、ボタン電話装置やPBX、事業所用コードレスホンは、クラウドPBXなどの導入で減少傾向が続くと見込んでいる。

▼家庭でもオフィスでも、電話に誰が出るかは問題になる。特にオフィスでは、新人などに応対を強要することが“TELハラ”と指摘されている。電話の在り方が変われば、こうした議論も変わっていくだろう。依然としてほこりまみれの電話機を見ながら、変化の流れを感じている。(鰹)
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