今日は何の日

<今日は何の日>11月29日(1972年)『米Atariがゲーム「PONG」を発表』

2022/11/28 09:00

週刊BCN 2022年11月28日vol.1947掲載

20兆円産業の始まり

 コンピューターと映像を駆使したビデオゲームは、今や世界で20兆円を超えるコンテンツ産業に成長した。その先駆けとなったのが50年前に米国で登場した、「PONG」という二人用卓球ゲームである。

 画面の左右に各プレイヤーのラケット(ただの小さな白線として表示される)があり、それぞれのラケットを上下に動かしてボール(白いドット)を相手側へ打ち合う。ボールをラケットに当てるのを失敗して後ろへそらしてしまったら相手に1点が加算される。片手で遊べるシンプルな内容だが、ボールをラケットに当てる位置によって軌道が変化したり、打ち合いを続けるとボールの速度がだんだん速くなったりと、知らず知らずのうちにゲームを白熱させる要素が詰まっている。今遊んでみてもなかなかの面白さだ。

 正式発表を前に、開発元の米Atariは試作機を地元のバーに設置した。稼働開始から数日後、そのバーから「あの機械を修理してくれ」と連絡が入る。もう故障したのかと思って駆けつけた開発者が試作機を開けてみると、中ではゲーム代の25セントコインがあふれており、それ以上入らなくなったのが不具合の原因だった。ビデオゲームという巨大な市場が生まれた瞬間だった。(螺)
 


由来
1972年11月29日、米国のゲーム会社Atariが、アーケード用ビデオゲームの歴史で初のヒット作となる「PONG(ポン)」を正式発表した。
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