BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『DXリスクマネジメント DX成功のマインドと戦略的アプローチ』

2023/02/10 09:00

週刊BCN 2023年02月06日vol.1956掲載

何もしないという最大のリスク

 ある企業に勤める知人に、仕事の話を聞いていて愕然としたことがある。「PCのOSがいまだにWindows7」だとか「ExcelやPowerPointもかなり古いバージョンのままだ」などの愚痴が飛び出してきたのだ。ちなみにその企業にはIT担当が1人しかいないそうで、知人もDXを本格的に進めていくには人材の不足が深刻だと嘆いていた。

 ここ数年、企業は一刻も早いDXの実現のため、さまざまな施策を講じる機運が高まっている。しかし、例に挙げたような、デジタル人材が足りないなどの理由から、DXに着手しようとしてもDXの推進自体が難しい企業も存在する。あるいはDXを実行しても、システム障害によって停滞してしまったり、レガシーシステムの刷新が目的となってしまい、将来的に再度レガシー化してしまったりなど実にさまざまなリスクをはらんでいる。

 本書で筆者がこう述べている。「何をやるにもリスクはあるが、何もしないことが最大のリスクとなる」。2018年に経産省のDXレポートで提唱された「2025年の壁」まであと2年ほどに迫っている。不確実性が増していく社会で、リスクに対峙するための考え方を学ぶことはますます重要となっていくだろう。(留)
 


『DXリスクマネジメント DX成功のマインドと戦略的アプローチ』
大茂幸子 著
東洋経済新報社 刊 2640円(税込)
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