全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>11.埼玉・大宮(上)

2004/01/19 18:45

週刊BCN 2004年01月19日vol.1023掲載

 埼玉・JR大宮駅前でパソコン専門店とカメラ量販店が激しい競争を繰り広げている。ソフマップが運営するGIGA STORE大宮店や、さくらやの大宮東口駅前店が店舗を構えるなか、ビックカメラが昨年11月21日に大宮西口そごう店をオープン、一気に主導権争いが白熱化した。

駅前で主導権争いが激化

 ビックカメラ大宮西口そごう店は、JR大宮駅西口にある「そごう大宮店」のパーキング館内の地上1-3階部分に位置する。売り場面積は6600平方メートルだが、「(売り場面積が1万5389平方メートルの)名古屋駅西店に勝るアイテム数」(宮嶋宏幸・ビックカメラ取締役営業本部長)と、豊富な品揃え重視の店舗に仕上げた。

 1階は、デジタルカメラなど写真関連機器を揃えており、女性などデジカメ初心者が購入しやすいように画素数別および価格帯別に展示している。AV(音響・映像)機器では、映像や音響を体験できるデモコーナーも設置した。

 2階はパソコンや関連機器フロアになっており、ビジネスマンが「会社帰りにちょっと寄っていく」ことを狙って、アクセサリ品や組立用パソコンパーツ、パソコン書籍コーナーなどを充実させている。

 3階は家電機器フロア。130台の冷蔵庫や洗濯機100台の展示は大宮地区で最大規模だ。スポーツ用品コーナーでは、ゴルフの無料試打やテニスラケットの無料貸し出しなども行っている。同階は、そごうとの連絡通路があり、女性層やファミリー層などの来店が期待できる。

 02年5月に東京・小田急新宿店ハルク館でテナント出店した新宿西口店も、デパートの買い物客など女性やファミリーが来店しているという。大宮西口そごう店の出店は、カメラ量販店の「男性向け店舗」というイメージを払拭させることにつなげ、幅広い層の固定客を確保していく。

 そごう大宮店にとってはオープン以来、パーキング館のオープンで3回目のリニューアルを図ったことになる。パーキング館は、ビックカメラが出店したほか、駐車場を大宮駅前最大級の650台を収容できるようにした。ビックカメラの出店で集客率アップの相乗効果を狙っており、「リニューアル後1年間で、355億円の売上規模を達成する」(佐伯忠・そごう大宮店長)とそごう大宮店全体での大幅な売上増を狙う。

 ビックカメラは、大宮西口そごう店のオープンで埼玉進出を果たした。そごうとのコラボレーションが大宮地区の競合店舗を脅かす存在になっているのは確実。売上高は、オープン後1年間で50億円を見込んでいる。(佐相彰彦)
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