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松下電器 ビデオカメラにSDメモリ搭載 年末商戦へハイビジョン機投入

2006/11/20 18:45

週刊BCN 2006年11月20日vol.1163掲載

 松下電器産業は、1080iハイビジョン録画に対応したSDメモリカード搭載ハイビジョンムービー「HDC─SD1」を、12月1日から発売する。同社が推し進めるSDメモリカードは、デジタルカメラ市場ではすでに標準となったが、ソニーがメディアの規格を定め続けてきたビデオカメラの世界で、SDカードを広げることができるかが注目される。

 松下電器が発売するデジタルハイビジョンビデオカメラ「HDC-SD1」は、SDメモリカードを記録媒体に採用。駆動装置などのメカニズムを必要としない特徴を生かし、手のひらサイズの小型化を実現した。

 さらに、1.7秒の高速起動といった特性や、テープのように絡まらない、あるいはDVDやハードディスクに比べて傷つきにくいといったメディアの信頼性を訴え、市場への浸透を図る。

 「ハイビジョンビデオカメラの利用環境を考えた場合、最適なメディアがSDメモリカードと考えた。HDC─SD1に標準添付した4GBのSDメモリカードでは、最長90分の録画が可能。ビデオの利用を考えれば、90分間という時間は十分長い」(松下電器パナソニックマーケティング本部・平原重信副本部長)と語る。

 2009年には32GBのSDメモリカードも投入される予定で、将来にわたって、さらに長時間の録画が可能になるとしている。

 高品質なハイビジョン録画を実現するために、新テルニオン3CCD HD、新ライカディコマーレンズ、新HDクリスタルエンジン、AVCHD規格対応の映像圧縮伸張LSI、5チャンネルマイクといった同社独自の5つのブラックボックス技術が活用されている。

 市場想定価格は18万円前後。月産2万台を予定している。まずは、ハイビジョンビデオカメラ市場において、30%以上のシェア獲得を見込み、ビデオカメラ市場におけるSDメモリカード搭載機の地盤を確立する考え。

 また、同時に発表した「HDC-DX1」は8cmDVDへの録画を可能としたハイビジョンムービー。12月15日から出荷し、月産1万5000台を見込む。市場想定価格は16万円前後。
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