リコーはデジタルカメラ事業で、デジタル一眼レフ並みの高い画質を誇るコンパクトデジタルカメラを投入することによって市場を深耕する。デジタルカメラ市場はメーカー間の競争のあおりを受けてコンパクトタイプの単価下落がとくに激しいが、同社では独自に追求した高画質を武器に高価格帯クラスでコンパクトデジカメを展開。他社との差異化を図ると同時に、価格下落を回避する狙いだ。

8月に発売した高級コンパクトデジカメ「GR DIGITAL III」
リコーではデジタルカメラユーザーの動向について「カメラ・写真に興味を抱いて高画質の機能を求める人は増えているが、そのせいもあって、必ずしも使いこなせていないデジタル一眼をもつ人が多い」(湯浅一弘・執行役員パーソナルマルチメディアカンパニープレジデント)と分析。高画質コンパクトデジカメを展開することで、デジタル一眼の購入を考えているユーザーの獲得や2台目需要を狙う。
具体的にはセンサーにCCD(電荷結合素子)を採用し、高感度やダイナミックレンジ、ノイズ低減、コントラストといった機能を追求することでデジタル一眼レフと同等の画質を実現する。

湯浅一弘 執行役員 パーソナルマルチメディア カンパニープレジデント
コンパクトデジタルカメラ市場では、高感度・低ノイズが特徴のCMOSをセンサーに採用するメーカーが出てきているが、リコーは「感度ではCCDにアドバンテージがある」(同)とみている。また、「高画素=高画質ではない」(同)としており、画素数は1000万画素を基本にする。
画質ではデジタル一眼レフを目指す一方、デジタル一眼レフのような交換レンズやフルサイズといった機能は追求しない方針。
デジタル一眼並みの画質をもつ機種については、一般的なコンパクトデジカメよりも単価が高い「高級コンパクト」と呼ばれるカテゴリで展開。こうした考えをベースに開発した高級コンパクトカメラ「GR DIGITAL III」(実勢価格8万円)を8月に発売した。高級コンパクトデジカメに特化するのは価格下落が激しいコンパクトデジタルカメラ市場で利益を確保する狙いもある。
「コンパクトデジタルカメラは景気低迷で安い製品が売れており、高い製品が売れなくなっている事実はあるが、自分が欲しいモノに対しては少し値が張っても買う人はたくさんいる。われわれの考えは間違っておらず、悲観はしていない」と、湯浅執行役員は自信をみせている。(米山淳)