店頭流通

アップル Macが急成長 iPhoneの広がりでユーザーに変化

2010/07/15 18:45

週刊BCN 2010年07月12日vol.1341掲載

 アップルは、5月28日にiPad、6月24日にiPhone 4と、話題の製品を立て続けに国内に投入した。発売当日は、アップルストアやソフトバンクショップなどに購入希望者が列をつくり、お祭り騒ぎとなるなかで、実はPCの販売も大きく伸ばしている。とくに、2010年に入って新モデルを投入した「MacBook Pro」や「MacBook」など、ノートPCの成長が著しい。これまで、デザイナーやアーティスト、コアなファンが好んで使う印象が強かったMacだが、ここにきて、一般ユーザーにもじわりと広がり始めているようだ。

Mac miniでWindowsユーザー獲得へ

 アップルは、4月に「MacBook Pro」、5月に「MacBook」と、ノートPCの新製品を立て続けに投入。ともにCPUやグラフィックスなどを大幅に強化している。発売効果は顕著で、2010年4月のアップルのスタンダードノートPCの販売台数は、前年同月比で45.8%増、5月には53.3%増を記録。急成長している。

 アップルの担当者は、これを「iPhoneなどで初めてアップル製品に触れたWindowsユーザーが、その使い心地のよさを体感し、Macに移ってきているのだろう」とみる。

 さらに同社は、デザインを一新した「Mac mini」を6月に投入。「Mac mini」は、モニタ別売のデスクトップPCで、Mac OS X Snow Leopardや、マルチメディア系ソフトをセットにした統合ソフト「iLife」をお手頃価格で楽しめるのが特徴だ。

 新モデルは、「Mac mini」登場以来、5年ぶりにデザインを一新。継ぎ目のないユニボディ構造のアルミニウムボディを採用した。また、グラフィック性能を2倍に高めたほか、新たにHDMI端子とSDメモリカードスロットを搭載。電源を内蔵するなど、性能や使い勝手を高めている。同社では、Windows時代に使っていた液晶モニタやマウスなどをそのまま使ってもらうことをイメージし、「Mac mini」を「初めてMacを使う人に最適な製品」と位置づけ、Windowsユーザーのさらなる取り込みを狙う。

 これまでWindowsの操作に慣れ親しんだユーザーにとって、Macは扱いが難しいとされてきた。しかし、iPhoneやiPadが急速に浸透したことで、アップル製品全体へのユーザーのイメージが変わりつつあるようだ。(武井美野里)

6月24日朝、ソフトバンク表参道には320人以上が並んだ
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