2010年3月にワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)のトップに就いた高津智仁社長が、大きなビジョンを掲げている。それは、多くの公衆無線LANサービスを、一つの契約で利用できるようにすること。その実現に向けて、今年中に公衆無線LAN事業者との業務提携を強化し、同社のアカウントを用いてインターネット接続ができる公衆無線LANスポットを大幅に増やしていく。2011年春をめどに、現在の約7600か所を10万か所に拡大するなど、積極的に展開する姿勢をみせている。

高津智仁社長
 第一弾として、今年6月に、公衆無線LANスポットサービス「FREESPOT」を推進するバッファローと業務提携。9月には、FREE SPOTのスポット約5000か所をWi2の個人向け公衆無線LANサービス「Wi2 300」に追加し、マクドナルドや空港、駅、東京・丸の内、横浜、新幹線、バス車内など、利用可能エリアを約1万3000か所に拡張する。「Wi2 300」のサービス利用料は定額で月380円。

 高津社長が掲げるビジョンの背景には、スマートフォンやiPadをはじめ、モバイルでインターネット接続ができる端末の普及で、公衆無線LANサービスの需要が急増していることがある。これを事業拡大の大きなチャンスと捉えると同時に、自社だけで急速なスポット拡大は難しいと判断し、バッファローなどの事業者や東京工業大学など、公衆無線LANスポットの既設エリアをもつパートナーとの業務提携に注力しているのだ。高津社長は、「ハードルは高いが、将来は携帯電話キャリアとの連携も考えていきたい」と、今後の展開を語った。

 販売チャネルの拡大に向けた動きも加速化している。同社は現在、八つの販売チャネルをもっている。そのなかでは同社の主要株主でもある大手家電量販店のビックカメラとインターネットサービスプロバイダのTOPPA!が最も大きいチャネルだが、2011年春までには、さらに多くのパートナーを開拓していく構えだ。

 高津社長は、Wi2を「公衆無線LANサービスのオペレータ」と位置づける。利用者の利便性を考えて多くの事業者と提携しながら、着々とビジョンの実現に向かっている。(ゼンフ ミシャ)