頂上熱戦

【頂上熱戦】「デスクトップPC」(後編) NECパーソナルプロダクツと日本エイサー

2010/08/19 18:45

週刊BCN 2010年08月09日vol.1345掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 販売戦略は?

【共通質問事項】 (1)PCの市場環境 (2)ユーザー拡大のための取り組み  (3)今後の目標



Answer.NECパーソナルプロダクツ

渡邉敏博
PC事業本部
商品企画開発本部長代理
(1)【市場環境】エコポイント対象機種の変更を前に薄型テレビが大幅に伸びた3月も、PCの売り上げは前年を上回った。これは、PCがすでに生活必需品になっていることを示している。テレビの販売は年末のエコポイント終了直前が山となると思うが、PCは引き続き堅調に推移するだろう。昨年の夏モデルは、Windows 7登場前ということもあって、10月まで4月発売モデルの販売を継続したので単純には比較できないが、今夏が好調であることは確かだ。

(2)【ユーザー拡大】PCを使う時間はテレビを視聴する時間よりも長い、という調査データがある。リビングは別として、限られたスペースのプライベートルームでのテレビ視聴、録画、ネット利用に、一台三役のPCを提案したい。当社は春モデル以降、すべての一体型デスクトップPCに地上デジタルチューナーを搭載している。PCで地デジが見られるということは、まだまだ消費者に知られていないので、業界全体で認知向上に取り組む必要があると考えている。

(3)【目標】PCの世帯普及率は7割を超えている。今後は、家庭で複数台、または一人で複数台のPCを所有する時代になっていくだろう。これら複数台のPCを便利に使っていただくために、例えばデスクトップの「VALUESTAR」をモバイルノート「LaVie M」や「LaVie L」とUSBケーブルでつないでデータを同期する機能などを備えた。ストレスフリーな環境を提案し、さらにPCを活用していただけるようにしていく。


Answer.日本エイサー

中溝良介
プロダクト マーケティング部
プロダクトマネジメント課
Stational PC
プロダクトマネージャー
(1)【市場環境】2~3年前にWindows XP/VistaのOSを搭載した一体型デスクトップを購入したユーザーが、Windows 7搭載PCに買い替える動きが出てきている。また、9月発売のオンラインゲーム「ファイナルファンタジー XIV」が、起爆剤になると期待している。最新のスペックを要求するようなので、今後、一般ユーザーやゲームユーザーの買い替え需要が高まると見込んでいる。

(2)【ユーザー拡大】従来は、スペックの違いを前面に打ち出して製品を提案していたが、今年からは「ゲーム」「Officeソフトセットモデル」「デジタルホーム」など、用途別提案を行っている。今後は、テレビと接続してリビングなどでネットが楽しめる超小型デスクトップ「AspireRevo」の販売に力を入れる。また、これまで売り場での提案が十分にできていなかったが、これからは露出を高めるために、売り場づくりにも注力する。製品面では、日本市場向けにエントリーからハイエンドまでラインアップを拡充することで、ユーザーのすそ野を拡大したい。

(3)【目標】1~6月は、日本エイサーの3ブランドのうち、eMachinesブランドが他社が追随できない低価格を武器に、総合シェアの向上をけん引した。eMachinesの人気は、今後も引き続きを維持していきたい。エイサーブランドでは、ネットブックなどのノートPCに続いて、「デジタルホーム」をテーマにデスクトップの拡充と拡販に力を入れていく。2010年は、年間シェアNo.1獲得を目指す。(田沢理恵)
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