勇気が必要だった判断
「宵の明星」の意味を社名に込めて2011年に設立したVESPERを、18年にTableCheckに社名変更した。自社が提供する飲食店向け予約・顧客管理システムのサービス名を由来とし、「世界で展開するには、誰が聞いてもわかる社名にしたい」との思いがあったからだ。
現在、日本を含む26カ国・地域の約7300店舗に飲食店向け予約・顧客管理システム「TableCheck」を提供しているが、上場を目指して順調に経営を進めている中、新型コロナ禍が飲食業界を直撃した。
取引先は増えているものの、予約件数は大きく減らした。「これまで見たこともないような数値」を目の当たりにし、一時は人員整理の議論も含めて苦しい状況が続いたが、「全員で乗り越えたい」と社員に伝えた。
謎の自信
常に挑戦する姿勢を大事にしており、たいていの困難はなんとか立て直してきた。それが「謎の自信」につながっている。幼少期の海外長期滞在や、日本の高校を入学してから間もなく中退したこと、大学を辞めた経験など、多くの場数を踏んでいる。98%の人が「そんなことはない」と言ったとしても、確かな気持ちがあれば、2%の可能性を信じて行動し、成長の糧にしてきた。
人生の目標
秒単位で時間を大切にしている。自宅を出るときも、まずエレベーターのボタンを先に押しに行き、それから自宅のドアの鍵を閉めに戻り、エレベーターを待つ時間を短縮する。経営者としても私生活でも、時間の最適化や効率化を考えていることが多いという。
人生の目標は、世界中にあるMBAの教科書にケーススタディとして載ること。「日本で起業したテック領域の会社として、初めてグローバルスタンダードを取る。それくらいの気持ちをもって仕事に臨みたい」と話す。
プロフィール
谷口 優
1984年神奈川県生まれ。幼少期の約10年間をシンガポールで過ごす。国際的な統合決済管理プラットフォーム企業で営業や経営企画などの業務に携わる。2011年3月にVESPER(18年6月にTableCheckに社名変更)を創業した。
会社紹介
「Dining Connected ~世界中のレストランとカスタマーをつなぐプラットフォーム~」をミッションに事業展開する日本発レストランテックカンパニー。飲食店向け予約・顧客管理システム「TableCheck」やユーザー向け飲食店検索・予約ポータルサイトを展開している。