これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「LandBridge・三森一輝代表取締役」を取材しました。
チームで挑む仕事が性に合った
高校卒業後、警察官になった。組織に身を置く中で、自身のアイデアが反映されづらい環境から、よりやりがいのある仕事を求めて転職を決意。さまざまな職を転々とする中で、一番しっくりきたのはITエンジニアだった。
「全くの初心者だったが、コードを書き自分の手でプロダクトをつくり上げる仕事に喜びを感じた。スポーツマンだったため、チームで仕事に挑むことも性に合っていた」。勤めていた会社で営業職への異動を打診されたタイミングで個人事業主となり、エンジニアを続ける道を選んだ。
優秀な人材は海外にいる
個人事業主となって感じたのは、国内のIT人材不足。「自分の技量ではやや足りないかと感じる案件でも簡単に受注できた」という。対して、友人のベトナム人は、高いスキルがあるにも関わらず仕事がない状態で、需要と供給のバランスが崩壊していると感じた。
「DXの機運が高まる一方で、この国の人材不足は慢性的だ。ただ、海外に視点を広げれば優秀なIT人材はいる。日本人だけで完結させず、グローバルな人材を巻き込み、チームをつくり上げるノウハウが、今後必要になる。これが国内のDXを進める一助にもなる」と、オフショア開発を手掛けるLandBridgeを創業した。
外国人と働くことをもっと当たり前に
警察官時代に、日本が好きで来たものの職場になじめずに逃げ出してしまった外国人を何人も見た。「そういう悲しい現実を何とかしたい」という思いが今でも根底にあり、「世界と日本の架け橋になることが、自分が挑むべきことだ」と強く感じる。
今後は、ベトナムのさまざまな企業と提携し、日本で生まれた案件をつなげていく。また、ベトナムの人材と日本企業をマッチングさせるサービスとともに、培ってきたコミュニケーションのノウハウの提供に力を入れる。外国人と働くことがもっと当たり前になる社会を目指し、挑戦を続ける。
プロフィール
三森一輝
1995年生まれ。高校卒業後、埼玉県警察を経て、2021年にエンジニアとして自社開発を手掛けるITシステム会社に入社。22年に受託開発の個人事業主となり、同年にLandBridgeを設立。
会社紹介
オフショア開発事業に加え、海外人材を紹介する人材派遣事業、グローバル人材と連携するための教育事業、ベトナム法人の設立を支援する法人設立事業を展開する。