これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「ダイニー・山田真央代表取締役CEO」を取材しました。
「人」と「金」の問題を解決
昨今の円安や物価高に起因した利益率の圧迫に加え、廃業率の高さによって金融機関からの借入も難しく、経営が厳しい状況にある飲食店は多い。また、低賃金や長時間労働などの理由から、労働力不足も深刻だ。生活のことを考え、「ほかの業界に転職していってしまう人たちが後を絶たない」
これら「人」と「金」の問題を解決し、飲食業従事者がよりやりがいを持って働けるような社会を実現するため、業務効率化からHR、FinTech領域まで事業を展開している。
1人でも多くの億万長者を生み出す
大切にしているのは、自分についてきてくれる社員に対し、他社ではできないことを実現するという考え方。その一つの例が、ストックオプションを活用して「1人でも多くの億万長者を生み出すこと」だ。
自社には、将来的に10兆円規模の会社を目指せるポテンシャルがあると考えている。数え切れないほど存在する企業の中から、自社を選んでくれたからにはキャリアパスや自己成長に向き合うのはもちろんのこと、自社でしか実現できない「人生が変わるほどのキャピタルゲインを用意してあげたい」
感謝がダイレクトに伝わる職業
飲食業は、来店客に料理を食べてもらい、「おいしかった」「ありがとう」などの感謝をダイレクトに伝えてもらえる職業だ。「人が本来持っている自己実現の欲求を満たすことができる」。だからこそ、利益率の低さや労働力不足、与信の受けづらさなどの社会的な問題が解決されれば、「人気の職業にならない理由がない」。実際、飲食業が人気の職業となっている米国では、日本と比べて、人も金も集まりやすい傾向にあるという。
一方で、日本の飲食業は競争が激しく、だからこそいいサービスや商品を持っている。人や金における課題を解決すれば、飲食業の社会的立ち位置も大きく変わるはずだ。「飲食業を人気ナンバーワンの職業にしたい」。飲食業の未来のために、きょうもひたむきに事業に向き合う。
プロフィール
山田真央
東京大学に入学後、メルカリやディー・エヌ・エー(DeNA)のインターンを経験。大学在学中の2018年にダイニーを創業。
会社紹介
飲食店向けのモバイルオーダーやPOSシステム、顧客管理などを中心としたサービスを開発・提供している。