これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「イタンジ・永嶋章弘代表取締役社長執行役員CEO」を取材しました。
不動産取引を滑らかにする
「不動産取引を滑らかにする」をミッションに掲げる。不動産業は紙の手続きが多かったり、データの整備が不完全でリアルタイムの情報を利用できなかったりして、非効率な業務が多い。その結果、接客の品質の向上に力を割けず、消費者に対して取引に納得感を与えられないといった課題がある。自社が提供するさまざまなソリューションは、こうした現状を打破し、取引の活性化を目指している。
不動産取引は比較的高額になることから、消費者の心理的要因も取引の停滞を招く要因だ。不動産事業者の業務は多岐にわたる中、単に手続きを済ませるだけではなく、担当する地域に対する深い知識を身につけ、顧客の悩みに寄り添えることが消費者に納得感を与える仕事につながる。デジタル技術を使って意思決定のプロセスを変革し、消費者の不安を取り除く支援も自社が果たすべき役割だと考える。
「ばかな!」を「なるほど」に
「不動産業界のインフラになること」を目指している。この目標を達成するためには「ある種のクレイジーさが必要だ」と考えている。顧客からも「面白いものをつくってよ」と業界の構造改革を期待されている。まだ存在しない仕組みの構築には、常識に左右されない柔軟な発想を持ち続けることが重要だ。
「世の中には、『ばかな!』ということが後に『なるほど』となることはある。変革は突き詰めて考えることが出発点だが、それだけでは人には伝わらない。行動し、かたちで示すところまで貫き通す必要がある」。そうすれば、クレイジーに見えた発想も世の中を変える原動力になる。
当たり前をひっくり返す
「世の中に大きなインパクトを与え、当たり前をひっくり返すような仕事がしたい」。不動産業界は衣食住の一端を担う社会の基幹的な業界。「ここのDXを手掛けることは、世の中の進歩の役に立つ」
業界の変革は長い道のりになる。「だからこそ今、行動に移すべき事柄は多い」。長期的な視座と短期的な行動を両立し、目標を見失わずにそこから逆算して一つずつ変革を続ければ、必ず道は開ける。
プロフィール
永嶋章弘
2012年設立。不動産会社向けに物件の掲載や問い合わせの自動応答、内見予約受付などを効率化するプロダクト群に加え仲介業務の反響来店率の向上を支援する「nomad cloud」などを展開する。
会社紹介
筑波大学大学院システム情報工学研究科で情報工学修士号を取得後、エンジニアとしてニフティに入社。2014年に創業期のイタンジに入社し複数の新規事業の立ち上げに従事。16年にメルカリにプロダクトマネージャーとして転職。18年、イタンジに再入社し執行役員に就任。23年11月から現職。