これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「amptalk・猪瀬竜馬代表取締役社長」を取材しました。
出世よりも起業の道へ
30歳くらいの時、「社会人人生が30年程度しか残っていない」ことに気づき、覚悟を決めて起業を選択した。大企業の中で出世し、活躍する道もあったが、会社を起こすことで、より社会に対して直接的にインパクトを与えることができると考えた。
会社のかじ取りに際しては、「少し先を進んでいる起業家とコミュニケーションを取る」ことを意識している。例えば、組織で起きている課題などに対して、どのように対処してきたかについて意見を交わす。初めての起業で、時には分からないことがある中、先駆者の意見は新たな視点を得るためのヒントになる。
期待に応える製品・サービスを
「会社を大きくしていくことが目標」だ。もちろん自身が経営者としてリードするのが一番いいが、会社を大きくする上で適任者がいれば、自分のポジションを譲ってもいいと思っている。製品が売れて会社が大きくなっても、顧客の期待に常に応える製品やサービスをつくり続けることが、自分たちに課された務めだ。
「今の子どもたちが大きくなったときに、当社のプロダクトを当たり前のように使っている世界をつくりた
い」。そのために現状に満足せず、こつこつと新しいプロダクトをつくり、どんどんと会社の規模を拡大させていくと決めている。
人と人が向き合う時間を最大化する
「謝ったり、お願いしたりするイメージがある」からか、会社の顔であり、なくてはならない仕事にもかかわらず、営業は人気のない職種となっている。優秀な人がマーケティングなどほかの職種に移ってしまうことも少なくないため、営業職に従事する人が加速度的に減っている状況があるとみている。だからこそ、「営業を楽しく、(営業従事者の)腕が上がる世界をつくらなければならない」
「営業の価値は顧客と対面しているとき」にあると考えている。顧客と対面している時間の価値をどれだけ高められるか、そしてそれ以外の面倒をどれだけ省くことができるか、その両面から取り組む。社名の通り、「(顧客との)会話を“増幅”」し、ひいてはミッションである「人と人が向き合う時間を最大化する」を実現する。
プロフィール
猪瀬竜馬
1985年、東京都生まれ。2010年に早稲田大学を卒業後、旭化成で医薬品などの営業・マーケティングに従事。2年間米国の医療機器メーカーでProduct Marketing Managerを経験。18年にスペインie business schoolでMBAを取得。20年にamptalkを創業。
会社紹介
商談解析ツール「amptalk analysis」や、SFA(Sales Force Automation)記録支援ツール「amptalk assist」を開発・提供し、商談データの見える化や、AIによる業務支援を通じて営業生産性の向上やスキルアップなどを支援している。