これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「Stayway・佐藤 淳代表取締役」を取材しました。
挑戦の機会を活性化
中小企業の事業を支援する補助金は、情報が分散していて分かりづらかったり、申請の手続きが煩雑だったりするため、十分に使いこなされていないという実情がある。提供する「補助金クラウド」はこうした課題を解決する。テクノロジーの力で補助金活用支援の品質を平等にし、あらゆる企業が補助金を使えるようにした。
補助金は条件さえそろえば誰でも使える、企業の挑戦を後押しするものだ。これを有効に活用できない状況を解消すれば、企業は新期事業の創出やビジネスの強化にもっと活発に取り組めるようになる。
ビジネスは課題発見の勝負
「ビジネスは世の中に潜む課題をいかに見つけるかという勝負。うまく課題をすくい取れれば、押し売りのような営業をしなくても勝手に製品やサービスは売れていくものだ」と考えている。
一方で、課題は必ずしも明示的に存在しているわけではなく、企業によっては非効率な業務などを課題として認識できていない場合もある。こうした中からビジネスとして取り組むべき問題を見つけ出すには、さまざまな企業と積極的に関わり、問題の本質を精査できる状況に身を置いている必要がある。だからこそ「経営者となった今でも、現場の感覚を失わないようにすること」を重視する。
経営を後押しする基盤に
「中小企業や地域のポテンシャルを開放する」ことを目指している。地方や中小企業が本来持つ力を存分に発揮する上で、障壁となっている非合理性や形骸化した仕組みが多く存在する。こうした課題を一つずつ洗い出し、解決の糸口をつけていけば、あらゆる企業や地域から新しい価値が立ち上がってくるはずだ。
「目標の実現に向けて、補助金クラウドはあくまで一部を成すものだ。そこだけにこだわり続けるつもりはない」。今後は課題に応じて適切な解決策を備えた、中小企業の経営を後押しするプラットフォームになることを目指している。
プロフィール
佐藤 淳
1983年生まれ。2007年に東京大学経済学部を卒業後、監査法人トーマツに入所。その後、YCP Japanを経て、17年にStaywayを創業。
会社紹介
金融機関や企業など向けに、補助金に関する情報収集や相談対応、申請などを一貫して支援する「補助金クラウド」シリーズを提供する。このほか、生成AIを活用して補助金の申請書類の作成を効率化するサービスなども展開する。