これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「HRbase・三田弘道代表取締役」を取材しました。
起業で自分の人生を生きる
就職活動をしているとき、ITスタートアップでインターンシップを経験した。起業した経営者から話を聞く中で「波乱万丈だが、自分の人生を生きている」と憧れを感じ、自身も起業したいとの思いを持った。
就職した会社で、社会保険労務士の資格を生かして業務を行いながら多くの社労士と関わったが、紙が多い現場は「至るところが非効率の塊」だと感じた。時代に合わないテンプレートを使い続けている業界を変革しようと、労務領域にテクノロジーを掛け合わせた事業で起業した。
企業の土台を支える
提供するソリューションは、労務相談を効率化するツールだ。頻繁に行われる法改正などの情報を社労士がキャッチアップするために質問をすると、生成AIが最新の資料を基に回答し、業務の効率化に大きく貢献。顧客からは、新人が1人でクライアントからの相談を解決できるようになったなどの声が寄せられ、業務のパートナーとして活用されている。
「労務が企業の土台」との思いがある。中小企業などが、労務管理がきちんとできずに従業員とトラブルになるケースも多く目にしてきた。正しい労務管理で企業をサポートする社労士の働き方を改善することで、土台を支えていると自負する。
働くを幸せに
自身の中心軸を「働くことを幸せにする」と定め、ミッションにしている。人口減少が進む日本において、働く環境を整えることは企業が採用にあたって避けて通れない必須項目だ。「ホワイトになりたい企業が簡単にホワイトになれる世界をつくりたい」と願う。AIを活用することで、企業に勤める人も社労士も働きやすくなるとみる。
経営は「大変なことしかない」。しかし「自分で選んだ道、人生を生き切ったと思えるようにする」と言い切る。自分自身、社員、そして世の中のすべての働く人にハッピーを届けるために、前進し続ける。
プロフィール
三田弘道
兵庫県出身。大阪大学大学院情報科学研究科修了。大学院在学中の2009年に社会保険労務士試験に合格。10年にエイブルワーク(現ミナジン)に入社。勤怠管理システムのマネジメントや人事労務システムの構築などを経験。15年Flucle(現HRbase)を創業。
会社紹介
AIを活用した労務管理サービスの開発および労務相談プラットフォームを提供。サービスは企業向けの「HRbase」、社会保険労務士向けの「HRbase PRO」がある。労務にテクノロジーを掛け合わせ、最適な労務管理を支援する。