これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「リーディングマーク・飯田悠司代表取締役社長」を取材しました。
仕事にやりがいを
学生時代、OB訪問などで社会人と話すと、世の中には仕事を面白いと思っている人が少ないと感じた。自身が行ったインタビュー調査の結果では、わずか21%。「社会人になれば、できることの可能性が広がる」と考えていたため、その数値の低さが気になった。
日本は異次元の少子高齢化を迎え、生産労働人口が減り続けることが想定されていた。「一人一人が仕事にやりがいを見いだせれば、日本の未来につながる」。創業以来、働く人と企業、双方にメリットのあるソリューションで、生産性の向上に取り組んでいる。
日本の成長をデザイン
自社のサービスでは、求職者の性格や心の状態を理解するための独自検査を用意している。どのような会社であればフィットし、働き続けられるかを分析することで、企業は自社により合う人材の中から候補者を選べる。入社後は、各人の状況をAIが分析し、適切な対応を示して休職や離職の抑制にも貢献。会社側がどういった対応をすれば個人が最も成果が出せるかをアドバイスしている。
企業と人材のミスマッチは、双方にとってデメリットが大きい。「一人一人が前向きに働いて才能を開花させてほしい」。働きやすさと働きがいの双方を支えることで、多くの企業、ひいては日本社会の成長をデザインしたいと願う。
理想から逆算
思い描く世界がどうすればもっとうまくいくのか、常に考え続けている。2020年に主力のHRソリューションをリリースしてからAI時代を迎え、データの重要性が増した。製品のアップデートは続けており、事業の理想的な成果から逆算して日々の業務に向き合う。
提供するソリューションは、「導入企業の経営成果に直結するプロダクトだ」との強い思いがある。選んだ領域で何をやるのか。自社の成長と共に増えている社員たちと「全部自分事」の思いを共有して走り続ける。
プロフィール
飯田悠司
1985年生まれ、横浜市出身。2005年東京大学経済学部に入学、在学中の08年にist(現リーディングマーク)を創業。
会社紹介
Personality Techを活用したHR事業を展開。「ミキワメ」のブランドで、入社時のミスマッチを防ぐ適性検査や、入社後の適正配置をデータで支援するサーベイなど各種サービスを提供している。