これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「ソルビファイ・湯淺元祥代表取締役CEO」を取材しました。
顧客主体で物事を進める
IT導入やDXに対して旺盛な意欲を示す企業は多い。その際、大切なのは「顧客自身が主体となって物事を進め、成果を得る」ことだ。システムの開発やITプロジェクトの推進をベンダーやコンサルに依存してきた日本企業は少なくないが、当事者の「思いがプロジェクトに乗らない」ため、うまくいかなかったり、限定的な効果にとどまってしまったりしてしまう。
「誰もがリーダーシップを発揮し、ITやDXに関するどんなアイデアでも実現できる世界を目指す」。そのための製品提供だけではなく、導入後のサポートも重視し、最終的には顧客がオーナーシップを持ってプロジェクトを推進できるよう支援する。
イノベーションを起こし続ける
「イノベーションを起こし続ける姿勢」を意識している。顧客のイノベーションを支援するときに、提供している製品の機能がアップデートされないのでは、示しがつかない。新たなアイデアを考え続け、かたちにしていく姿勢は必要不可欠だ。
一方、日々非常に早いスピードで技術が進歩しているため、自分一人でそれらをキャッチアップするには限界がある。チームメンバーの一人一人がアンテナを張って、意見や情報をしっかりと共有し合えるように、風通しのいい組織風土を大切にしている。
世界に誇れる日本の地位を再び
将来的には自社で「新しい技術をつくりたい」。例えば、現在製品に組み込んでいる生成AIは他社による既存の技術を基につくっている。ゼロからイノベーションを起こすことで「より大きなインパクトを生むことができるようになる」
社名のSolvifAIは、「解決」を意味する「Solve」と、「~化する」を意味する接尾語の「fy」、そして「AI」で成り立っている。かつて日本はハードウェアで世界をリードしてきた。日本のITやDX産業をAIで変革することで、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアの領域でも世界的に誇れる地位を再び日本が築けるようにしたい。
プロフィール
湯淺元祥
2016年に新卒でEY Japanに入社。20年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。23年にソルビファイを創業。
会社紹介
ITやDXプロジェクトの管理に加え、生成AIを活用して要件定義書などの成果物を自動で作成できる「SolvifAI」を提供している。