これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「スマートドライブ・北川 烈代表取締役」を取材しました。
自動運転は変化を生む
米国に留学していた際、米Tesla(テスラ)や米Google(グーグル)の自動運転車が走っているのを見かけ、「移動の未来」に思いをはせた。自動運転が可能になれば、自動車の外見が今と同じである必要はなくなり、それに合わせて道幅なども変わる。都市の姿も今とは違うものになるはずだ。人々の生活も変わるだろう。通勤時間を自由に過ごせるなら、職場から1時間以内の場所に住む必要はなくなる。「移動の進化が未来にもたらすポテンシャルは大きい」と考えるきっかけになった。
こうした未来は、「いつか到来するとしても、少なくとも10、20年で実現するものではない」。それでも「未来に向けた第一歩を踏み出す」ために創業した。自社が展開する自動車の移動データを収集し分析する事業は、より良い移動の未来に向けた指標を得る意義がある。
移動データの基盤づくり
自動車を向上させるためには、どのように運転されているか把握するためのデータが圧倒的に足りていないと感じる。自社が保有する移動データは重要だが、それだけでも足りない。乗り越えるべきはオープンなデータ活用を市場に浸透させること。移動データは「料理で例えれば小麦粉」だ。粉からパンや麺が生み出せるように「掛け合わせるデータが多様になるほど、いろいろな品がつくれて面白くなる」。保険や整備といった多様なデータとの連携を推進するプラットフォーマーになることを目指す。
世界に打って出る
「移動手段の進化で変革が起こるのは日本だけではない」。世界に打って出ることを創業当初から考えていた。「日本には世界的な自動車メーカーが数多くある中、移動データの活用では後手に回っている状況が歯がゆい」と話す。
会社の規模は大きくなり、120人ほどを抱える組織になった。しかも「自分が120人いるよりも多くのことができる、多様な才能が集まる組織になった」と胸を張る。未来の移動が実現するには時間がかかるとしても、移動のあり方は将来、確実に変わると信じている。「苦戦することは多い」と話すが、移動の未来を見据える仲間と共に、歩みを続ける。
プロフィール
北川 烈
1989年生まれ。東京都出身。2013年に慶應義塾大学を卒業後、東京大学大学院に入学。大学院在学中の13年にスマートドライブを設立。
会社紹介
クラウド型車両管理システム「SmartDrive Fleet」を開発・提供する。車両のシガーソケットに取り付けるデバイスと連携して車両の位置情報や走行履歴を把握する機能に加え、運転診断機能などを備える。大手保険会社などと連携して、収集した運転データを活用したサービスも展開する。2020年にマレーシアに子会社を設立。