これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「NodeX・三井正義代表取締役CEO」を取材しました。
今までにない技術で貢献
最初に起業した会社は、プロダクトが市場のニーズに合わずうまくいかなかった。そうした中、出会った分散型IDという技術に興味を持ち、国際標準をつくる団体に入った。「今までになかった技術で社会課題を解決したい」と2社目の起業を決意した。
学生時代の研究や最初の会社でロボットなどIoTデバイスを扱っていたが、ネットワークにつなぐ際のセキュリティーの構築が負担だと感じていた。あらゆるデバイスがインターネットに接続され、データ活用が当たり前になる時代に、セキュアなデータの通り道を提供することで、必要不可欠なインフラになることをミッションとして定めた。
自分にしかできない役割
デバイスの認証にゼロトラストを適用し、分散型IDでデバイス認証を自動化、自社のソフトウェアをデバイスに入れるだけでセキュリティーが堅牢になる汎用的なモジュールを提供している。数十万台規模のデバイス接続にも対応する。
日本には、重要インフラ機器でグローバルで大きなシェアを取っているメーカーが複数あり、それらの企業と協業体制を確立していることも強みの一つだ。 これは分散型IDの知見を先行して蓄積している点と合わせて大きなアドバンテージとなっており、「ものづくりが強い日本とIoTのセキュリティーを掛け合わせる役割は僕にしかできない」と自認する。目指すは日本発のグローバルスタンダードだ。
大きな絵を描く
会社を経営する立場として、成長を導く指標であるNorth Star(北極星)をしっかり置くことを重視している。「大きな絵を描くことで、実現のためにすべきことに集中して邁進できる」。それらを面白いと感じ、一緒に取り組んでくれる仲間、パートナー、自身に関わる全ての存在が支えになっている。
人生の時間の多くを費やす仕事で得られるものは、お金だけでは面白くない。コードを一つ書くのも、人に会うのも、「これが何につながり、社会にどんなインパクトを与えられるのか」をイメージしながら日々を積み重ねる。
プロフィール
三井正義
1989年生まれ、京都府出身。慶應義塾大学大学院修了。2015年、3Dプリンター向けのクラウドサービスを開発するBitomを起業。19年、CollaboGate(現NodeX)を創業。World Wide Web Consortiumに参画。22年、ブロックチェーンや分散型ネットワークを活用して、中央管理者に依存しないデジタルID管理を実現する技術である分散型IDの国際標準化を推進するDIF Japan Chairに就任。
会社紹介
分散型IDを活用したIoTデータセキュリティー基盤「NodeX」を提供。エッジ向けゼロトラスト基盤として、全てのデバイスとリクエストを認証・検証が可能になる。セキュアなデータ基盤をSaaS提供することでインフラへの初期投資を大幅に低減し、あらゆるエッジデバイスに安全なデータの通り道を構築している。