その他
勢いあふれるアップル ジョブス氏正式にCEOに 技術革新のリーダー復活
2000/01/24 21:12
米アップルコンピュータがますます勢いをつけている。業績が黒字転換した当初は「まぐれもある。しばらくは様子を見なければ再建したとは認められない」という意見が証券アナリストの間で主流だったが、最近では同社再建の事実を疑う者はいなくなった。同社株の「買い」を勧めるアナリストも出て、同社の株価は上昇している。また「生意気」という評価がつきまとったスティーブ・ジョブズ最高経営者(CEO)だが、最近ではその業績をたたえる論調が米マスコミで目立ってきており、パソコン業界の技術革新のリーダー役として再び注目を集めるようになっている。アップルの取締役会も、この2年半のジョブズ氏の貢献に対し、1000万株のストックオプションと小型飛行機の提供を決め、年収わずか1ドルのCEOを讃えた。(在米ジャーナリスト・湯川鶴章)
株式市場の評価うなぎ上り
投資銀行大手のモーガン・スタンレー・ディーン・ウイッターのアナリストのギリアン・マンソン氏は、アップルに関するレポートのなかで、ジョブズ氏のCEO正式就任を取り上げ「アップルや、その従業員、マックファンにとって非常に重要な信任投票だ」と評価した。
同レポートは、パソコン需要が落ち込む季節要因やマックワールドでハードの新製品の発表がなかったことなどの不安要因があるとしながらも、アップルの会計書類は健全で、会社は熱気に満ち、勢いにあふれていると同社を高く評価。格付けを「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に引き上げた。
この格上げを受け同社株価は一挙に8%上昇し、94ドルになった。同アナリストは同社株は120ドルまで上がるとしている。昨年11月にもドナルドソン・ラフキン・ジェンレットのアナリストが「iBook」の売れ行き好調を理由に同社株の「買い」を奨励。株価が3.5%上昇している。米マスコミの論調も同社に好意的なものが目立つようになってきた。
同社再建に懐疑的だったある業界紙の記者は自分のコラムのなかで「スティーブ(ジョブズ氏)はネクストコンピュータを創設した際に口では大きなことを言ったが結局失敗した。わたしがアップル再建は失敗すると予測したのは無理もない」と自己弁護したあとで「しかし、その予測は誤りだった。スティーブ、おかえりなさい」とジョブズ氏が業界のリーダー的存在に返り咲いたことをここにきてようやく認めた。
なにかと批判の多かったマック互換機戦略の打ち切りに関しても同記者は、「収益性改善のためには仕方がなかったことかもしれない」と好意的。まさに勝てば官軍といった感じである。
目を見張る鋭い「先見の明」
しかし、確かにジョブズ氏の先見の明には目を見張るものが多い。斬新なデザインのiMacを発表した際にも「熱狂的なファンがいるマックだからこそ可能なデザイン。
ほかのパソコンメーカーがカラフルパソコンを出してもユーザーは目もくれないだろう」と日系パソコンメーカー関係者は語っていたが、米コンパック・コンピューターでさえ、先頃、丸型の斬新なデザインのパソコンを発表した。
古い周辺機器とのコンパチビリティを無視し、最新の接続技術のみをiMacに搭載した際にも批判は多かったが、古い接続部品を省略することでコストを下げたパソコンが各社から次々と発表されるようになっている。
どちらの例も、ビジネスツールとしてのパソコンしかイメージできないパソコンメーカーに対し、ジョブズ氏は早くからパソコンをデジタル家電の1種ととらえていた証拠。デジタル家電市場が急成長するとの先見の明もあったようだ。
そのジョブズ氏が次に狙っているのはパソコンとインターネットの統合だ。アップルはネット上のサーバーとクライアントパソコンの両方にソフトを搭載し、「ウィンドウズ機では不可能な、ウィンドウズ機ユーザーがうらやむ機能、サービスを実現する」(ジョブズ氏)という。
その最初のサービスがネット上の未成年者への有害情報の自動排除機能だ。学校のサーバーとクライアントの両方に同機能をもつソフトを搭載することで、完璧に有害情報を排除する。実際に試験使用したある教育関係者は「学校内のシステム管理が大幅に楽になる」と絶賛している。
こうした機能、サービスが高い評価を受ければ、ウィンドウズ環境にも同様の機能が搭載されることになるだろう。業界の技術革新リーダー役として、アップルは完全に復活したようだ。
米アップルコンピュータがますます勢いをつけている。業績が黒字転換した当初は「まぐれもある。しばらくは様子を見なければ再建したとは認められない」という意見が証券アナリストの間で主流だったが、最近では同社再建の事実を疑う者はいなくなった。同社株の「買い」を勧めるアナリストも出て、同社の株価は上昇している。また「生意気」という評価がつきまとったスティーブ・ジョブズ最高経営者(CEO)だが、最近ではその業績をたたえる論調が米マスコミで目立ってきており、パソコン業界の技術革新のリーダー役として再び注目を集めるようになっている。アップルの取締役会も、この2年半のジョブズ氏の貢献に対し、1000万株のストックオプションと小型飛行機の提供を決め、年収わずか1ドルのCEOを讃えた。(在米ジャーナリスト・湯川鶴章)
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