その他
活気づくストレージ市場 各社、取り組みを加速
2002/01/28 15:00
週刊BCN 2002年01月28日vol.926掲載
国内のネットワーク・ストレージ市場が活性化し始めた。IDCジャパンでは、日本のネットワーク・ストレージ市場は2002-05年の間、年平均で50.7%の成長を遂げ、05年にはDASの出荷金額を逆転すると予測している。米国より2年程度の遅れがあるとされる国内市場だが、02年は急成長に向けての助走期間と期待を寄せるストレージベンダーは多い。ITの新たな成長市場をにらみ、いかにDAS環境からネットワーク・ストレージ環境への移行を促すか、さらには中小企業市場への対応はどうするかなど、ベンダー各社の取り組みは熱を帯びつつある。
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)ストレージソリューション事業本部の芝原房夫本部長は、「HPのストレージビジネスの認知度を上げ、04年度までにシェアでナンバーワンのストレージベンダーになる」と宣言する。
同社では今後のIT関連投資において、ストレージビジネスが最も伸びる分野と位置付け、さらに最も利益が上げられる分野であると認識。昨年9月には各事業部内に分散していたストレージ関連部署を統合し、70人体制の「ストレージソリューション事業本部」を設置。「サーバーに依存しないストレージ戦略」(芝原本部長)を推進している。
サーバーに依存しないストレージビジネスとは、これまで国内では日立製作所や日本IBMなどのメインフレーマが展開してきたストレージ戦略とは明らかに異なる流れだ。この背景には、拡大するオープンシステム市場において、HPのサーバーが導入されていない企業に対してもストレージを切り口に食い込み、HP自体の顧客を拡大していく、という戦略が存在する。
つまり、HPにとっては、サーバーというハードウェア主体の従来型ビジネスは終わり、企業内の情報をいかに有効活用するかの提案がビジネスの中心になるとみている。
米ガートナー・グループは、企業のITスタッフの予算は年率5%で増加する一方、企業が抱えるデータ容量は年100%の伸びで増加するとの調査を発表している。企業規模に関係なく、社内データ容量は確実に拡大する傾向にある。
そこでベンダー各社のターゲットとなってくるのが、中小規模企業だ。多くの中小規模企業は、DAS環境からネットワーク・ストレージ環境への移行を望みながらも、「複雑であり高価で、過去の社内資産を失うリスクも大きい」との懸念を示しているからだ。
エンタープライズを主要顧客ターゲットに据えているEMCは別として、日立や日本IBMなどの大規模ストレージビジネス大手でも、ミドルレンジ企業に対するアプローチを開始している。だが、顧客の懸念に対しては、未だ啓蒙活動の段階との認識をもっている。
DAS環境からネットワーク・ストレージ環境への移行を促すには、まだ啓蒙に時間がかかりそうだが、そうした努力を払ってでも、今から同分野に手を付けておくメリットは大きい。
コンパックコンピュータストレージ製品本部ストレージ製品企画部の本間孝秀部長は言う。「SANによるストレージ管理の生産性は、データ管理を個別に行うよりも2.5倍程度効率的であり、容量利用の効率は約2倍。つまり、現在の人員を維持しても管理効率を5倍に向上できる」。さらに装置の共有、自動化などを推し進めることで、資産効率を一段と高めることが可能という。
企業のIT投資に占めるネットワーク・ストレージの比率は、今後急上昇していく可能性は高い。02年はまだ市場拡大の端緒にあるとの認識もあるが、新たなビジネスチャンスとしてストレージベンダの取り組みは激しさを増しそうだ。
国内のネットワーク・ストレージ市場が活性化し始めた。IDCジャパンでは、日本のネットワーク・ストレージ市場は2002-05年の間、年平均で50.7%の成長を遂げ、05年にはDASの出荷金額を逆転すると予測している。米国より2年程度の遅れがあるとされる国内市場だが、02年は急成長に向けての助走期間と期待を寄せるストレージベンダーは多い。ITの新たな成長市場をにらみ、いかにDAS環境からネットワーク・ストレージ環境への移行を促すか、さらには中小企業市場への対応はどうするかなど、ベンダー各社の取り組みは熱を帯びつつある。
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